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   ~北斗神拳伝承者の末裔~






■各話目録■

第壱話「ミカサの真実」
第弐話「南斗推参ッ! ダッチワイフ・アニ!」
第参話「それは愛ゆえに…ッ! ミカサ、一日の行動!」
第肆話「それは愛ゆえに…ッ! エレン愛好会発足ッッ!!」



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第壱話、ミカサの真実
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昼と夕の間、訓練が終わった後、エレンとミカサは訓練場横にある草むらで休憩をしていた。
風の涼しい良い天気だった。二人は草むらに座って、ここちの良い風にあたっていた。
ふと、エレンはミカサに何気ない質問をした。


エレン「――なぁ、ミカサ。お前なんでそんなに強いんだ…?」

ミカサ「…?」

エレン「いや、あのさ。前にも同じ事聞いたけど、いくら覚悟があったとしても、子供の力で蹴っても床は外れないじゃん?今もそうだけど、いくらなんでも強すぎやしないか?何か特殊な訓練でもしているんじゃないのか?」

ミカサ「……特殊。…そうね、強いていうなら呼吸法…ね」

エレン「呼吸、法?」

ミカサ「ええ。呼吸法。戦闘時に私は貴方と違う呼吸法で戦っている。通常人間は脳のセーフティのせいで三割しか力を発揮できない。けど、この呼吸法を使えばセーフティを解除して、残り七割を使えるようにできる。つまり人間が本来持つ力を最大限発揮できる」

エレン「マジかよ…それって俺でも使えるのか?」

ミカサ「多分無理。エレンと私では決定的な体の作りが違う。私は東洋人の血筋で、北斗神拳最後の伝承者だから」

そういうとミカサは昔を懐かしむような視線を宙に送る。
拳法のような名前に耳を疑ったエレンは聞き返す。

エレン「北斗神拳?なんだそりゃ」

ミカサ「一子相伝の暗殺拳のこと。巨人が現れる前、東洋を始めとして世界中に拳法家がいた。そして東洋にあった北斗神拳はその中で最強の拳法と言われていたの」

エレン「へぇ……? …い、いや、おかしいだろ。じゃあ、なんでお前の母さん、…その…人身売買のブローカーに簡単に殺されたんだよ。一子相伝でお前に受け継がれていたってことは、東洋人である母さんが受け継いでてお前に教えたってことだろ?最強の拳法ならそんなカスに安々と殺されないだろ」

ミカサ「うん…でも違う。母さんは拳法家として、精神も肉体も未熟…適合しなかった。基礎的な能力や知識としての体術は学んでいても、実践に生かせるレベルには持ってこれなかったの。だから、お父さんが殺された時、半狂乱になった…そして………殺された」

エレン「…そうか。…それがミカサが誰よりも強い訳、なんだな…」

ミカサ「うん…」

エレン「…」

ミカサ「…」

ミカサとエレンの間に漂う空気は重いものとなった。
悲惨な過去は、少女に生きる決意と戦う覚悟を与えたが、悲惨であることに変わりなかったのだ。
そして、その過去でエレンもまたミカサの親の仇として人を殺した。到底、軽く流せるような過去ではない。
鉛が宙を浮いているのではないか、そう感じれる空気が流れて数分、ミカサが沈黙を破る。

ミカサ「だから…――エレン、結婚しよう」

エレン「は?」

ミカサ「巨人撲滅には北斗神拳は必須。そして、残念なことに北斗神拳は私しか伝承者がいない。子孫を残さないと巨人を駆逐できる貴重な戦術が永久に失われてしまう」

エレン「いやいや、待て!さっきの今でなんだそれ!? 空気を読めないのか?脈絡無さすぎだろ?!!」

ミカサ「…どうして? エレンは巨人を駆逐したい、私は暗殺拳の伝承者であることを初めて明かした。そしてその伝承者は今、私しかいない。この流れから出せる結論は、伝承者である私とエレンの子作りしかない。なら結婚の話題を出すことに何の不思議もない」

エレン「待て、待てぃ!ふざけるなよっ!なんだそれ…なんだよそれッ」

ミカサ「……もしかして、エレンは婚前性交したい派…?」

エレン「…は?…えっ?」

ミカサ「…しかたない。私はどちらでも構わない」ズズズ

ミカサがエレンとの距離を縮める。
たまらずエレンはミカサと距離を取ろうと立ち上がる。

エレン「ま、待て!待ってくれ! わかったから待って!」タジ

ミカサ「待たない。いつ巨人が襲ってくるかわからない」

エレン「知らん!巨人を言い訳に使うなぁ!…あーもぅ!すまん!その話題は今度な…!!」

エレンはさっそうとその場を後にする。
しかし、ミカサにそれは通じない。北斗神拳伝承者に、それは通じないのだ。

ミカサ「…フッ、笑止!北斗神拳からは逃れられない…!」

ミカサはゆっくりと立ち上がり、エレンの走っていった方に体を向け、足元を勢い良く蹴り上げた。クラウチングスタートのような体勢で一気に歩を進めた。
その瞬間、その場からミカサの体は消え、エレンの方角へと俊足で移動する。

エレン「ヒィッ!」

エレンは小さく悲鳴を上げる。

ミカサ「逃がさない…」

エレンは走る。訓練場を通り過ぎ、兵舎まで走り抜ける。
繁殖期に突入した雌は何よりも凶悪というのは生物学上の真実。
そして、雄は雌に屈する存在であり、雌は雄を餌程度にしか思わない種族もいる。
エレンはミカサにとって、寵愛の対象であること以外は、格下の獲物に過ぎなかった。

エレン「いやいや、それ以前におかしい。今日のミカサはなぜだか知らないが、オーラが違う…ッ」

予てからミカサからのアプローチはあったが、今回はその比ではなかった。
後ろから追うミカサは、加減を知らない。過ぎゆく障害物を片っ端から破壊していた。
木々はもちろん、もう三個ほど兵舎を壊している。こういう時、被害を被る大抵ライナーである。あぁ…あの穴はライナーのベッドがあった場所だ……ライナー…。

逃走から五分。たった五分の間に、ざっとデストロイした数を数えると、木が10本、兵舎が三つ、食料庫が一つ…相当の破壊力だ。人分の兵力は伊達ではない…。あぁ、あと、訓練場の地表がボロボロだ…。

サシャ「ほぅ…これは儲けモンですね…食料庫が破壊されている…ぐふふ」ジュルリ

この追いかけっこが終了する頃には、エレンは目から光を失い、生殖を終えていて、ミカサは営倉行きが確定することは火を見るより明らかだった。
そしてきっと、サシャもまた、トバッチリで食料庫破壊の件について営倉行き確定だ。

エレン「おい!ミカサぁ!なんてったって、今回はこんなに凄い襲撃を仕掛けてくるんだッ!毎回毎回原因不明の襲撃をしてくるけど、今日はおかしいぞお前!」

ミカサ「……」

エレン「だ、だんまりかよ!やめろよ、無言で高速移動するの!!怖いだろっ?!」

ミカサ(…涙目のエレンかわいい…)

戦闘に関する潜在能力や持久力で勝てる見込みが無いことは、悔しいがエレンも重々承知している。
そのため、はじめのうちは倉庫を通過したり、入り組んだ道を走ったりしていた。
しかし、本日のミカサがおかしいこと、そして、そのミカサがもたらす被害状況があまりに酷いことを加味して、結局エレンは訓練場に向かい、その周りをミカサとエレンでぐるぐると追いかけっこをすることになった。逃走から、おおよそ一時間は経過している。その間、ずっとエレンは全力疾走だ。

エレン「ゼェ…ゼェ…なんてったって、こんな…訓練場をこんなにグルグル回ったのは、…ゼェ…サシャ以来、じゃないかッ…?」

エレン「…ミカサは…」チラッ

披露しきったエレンは様子をうかがうために、後ろに続くミカサに目をやる。

ミカサ「…」ニヤァ

目と目があったミカサは、口角を吊り上げ、今まで見たことのない笑みを浮かべた。
いうまでもないが、汗一つかいていない。

エレン「ひぅっ!?…なんだあのミカサは…!ゼェゼェ…」

エレン(お、おかしいぞ本当に…なんで今日はこんなに暴走しているんだ…秘密を聞いてからだが、暴走するほどの秘密なのかあれは…?)

ミカサ「…一つ、教えよう。エレンが不思議がっている理由を」

エレン「ゼェ…り…ゆう…?ゼェゼェ」

エレンの疲労が限界に達しており、そろそろ鬼ごっこが終わることを掌握しているミカサは、余裕と言わんばかりに口を開く。

ミカサ「私の秘密は、本来誰にも口外してはいけない秘密。拳法自体は都市伝説のように広まっているが、それが誰なのかは誰も知らない。なぜなら、知れ渡っていては暗殺拳とは言えないから」

エレン「ゼェ…ゼェェ…で…?それで?…」

ミカサ「…そして、この秘密を明かす時は、殺す時か、家族を増やすときに限る。…つまり、今日、つい先程、エレンは私の秘密を聞いた。これはもうプロポーズに他ならない」

ミカサ(…あとライバルとか、信頼出来る仲間にも自己判断で特例は認められるけど黙っておこう…)

エレン「」

エレン「き、聞いてないぞ!秘密にしてるとか言ってなかったしィ!」ゼェゼェ

エレン(マジかよ…勘弁してくれよ…俺知らない間に告白してたのかよ…なんだかしらねぇが理不尽じゃn…あっ)ドタン

エレンの疲れは限界を超え、集中力が切れた途端、普通にずっこけた。

ミカサ「ふふ…やはりもう限界みたいね…」

ミカサ「…所詮、凡人が北斗神拳の前で逃げるなど不可能」ズズ…

エレン「」ガタガタ

ミカサ「世界は残酷なのエレン…それを教えてくれたのはあなたのはずよ…そして戦うことを教えてくれたのも…」ズズズ…

エレン「」ガクガクガクガク

ミカサ「…でもね、どうやっても変えられない真実があるの…人は死ぬ、日は昇る。それと同様に、北斗神拳が無敵なのも真実…逃げても無駄」ズズズズズ…スルッ

エレン「」ブルブルブルブルブルブル

ミカサはゆっくりと近寄る。
動きは女豹のそれだが、目つきは死んだ動物に這い寄るハイエナのように鋭い。
一歩一歩近づくたびに、ミカサは衣服を脱いでいく動作をする。

エレンは察した、これが自分の最後なんだと。
チェリーボーイの最後の日なのだと…

エレン(色恋沙汰に疎く、性に鈍感な俺でもわかる…これが、…俺の操の、最後なんだと…)
エレン(…俺は家族に奪われるのか…こんなことなら、ライナーと一緒に街の売春宿に行けばよかった…せめて、奪われる相手を選びたかった…)グスン

もうエレンとミカサの距離は1mもない。
ミカサはもう下着姿だった。

ミカサ「さぁ…交尾を…しましょうッ」ガシィッ

エレン(さようなら…マイリトルドリーム…)ウルッ

もうエレンとミカサに距離はない。
ミカサはエレンの衣服を掴み、服を脱がそうとする。エレンはもう抵抗する意志も、体力もない。
訓練場のどまんなかで、生殖の義が今まさに執り行われようとした時、誰かが訓練場に現れた。

??「待てッ!」ゲシッ

そう叫ぶと、その人影は音もなく飛び蹴りをかます。
飛び蹴りされたミカサはさっと身をかわし、構えをとる。

ミカサ「何奴!」

アニ「…おい、エレンに何やってんだお前!」

そこにはアニが立っていた。
いつもの無表情とは違う、殺気立った怒顔を露わにしたアニが、戦闘の構えをとって、立ちはだかっていた。
ミカサ「…アニ…邪魔する気?」

アニ「はぁ?質問の答になっていない!答えろ、エレンに何をしていた!!」

ミカサ「あなたには関係ない。男勝りのマグロ女には到底縁のない行為をエレンにしてあげようとしていた所だから」

アニ「あ?マグロだと?」ビキビキ

ミカサ「そう…マグロ。男を喜ばすことのできない不感症女を指す言葉。…ので、そんな貴方に、私がエレンとセックスしようとしていたのを邪魔する権利はない」フッ

ミカサはアニを罵倒し、嘲笑する。
自分より格上だとわからせるために、思いつく限りの最大限の罵倒をする。

アニ「ほぅ…言うじゃないか。…ふざけるなよ筋肉馬鹿。あんたのムキムキボディに発情する男は誰ひとりとていねぇよ!!」

アニ「それに、…エレンとセックスだと?ふざけんな!エレンはあたしのだ!!」

ミカサ「あたしの…?」ピクッ

アニ「あぁそうだ!あたしはエレンの…エレンのッ…その…」
アニ「およ、およよ、お嫁さんだ!!」////

ミカサ「……勘違い。残念だけど、それはあなたの勘違いよ」

アニ「はぁ?何いってんだ腹筋女。エレンはなぁ、あたしのこと好きだって言ってたんだ」

エレン「えっ」(まじかよ…いってねぇぞ…)

ミカサ「…ほんと?エレン」

エレン「えっ…いや、えっと…」(いつだ…いついった俺…)

アニ「ふん、エレンに聞くまでもない!あれは一昨日のこと、エレンはあたしに求婚したんだ」

エレン「えっ、求婚!?」

アニ「あぁそうだ。エレン、あんた「月が綺麗だなアニ…」ってあたしに言ってくれたじゃないか!あたしは知ってるぞ、東洋の小説で月が綺麗ですねは、貴方を愛しているの隠語だってのを!アルミンが貸してくれた小説にそう載ってたんだ…!」

ミカサ「」
エレン「」

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その頃、兵舎にて…
アルミン「うっ…胃痛の予感が…」
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アニ「だから、ミカサ!あんたがあたしの男に勝手するのは許されない!そこをどきな」

ミカサ「…言い分は分かった。アルミンには後でお話するとして…アニ。残念だけど、それは認められない」

アニ「あ?なんでだよ」

ミカサ「その妄言は、あなたの残念な思考回路が無駄に知恵を絞ってしまったために、エレンの無邪気な感想をそう捉えただけ。妄想淫乱マグロ女とだけあって、その残念思考には衝撃を隠せない」

アニ「うるさい!変態無表情ストーカーに言われる筋合いはない!」ガシッ

アニは目前で腰を抜かすエレンの腕を掴むと、無理やりアニ側にエレンを引き寄せた。


アニ「付き合ってられないね。話の通じない相手に議論は無用だ。あたしはエレンを連れて行く、じゃあね」タタタ

そう言うと、エレンを引っ張って、走り去ろうとするアニ。

ミカサ「…奇遇。それに関しては同意見。待ちなさい、妄想女」

アニ「…」タタタタ

エレン「お、おい!無理に引っ張るなよ、服が破けちゃうだろっ!?」ズルズル

ミカサ「…ふっ、待たぬか…仕方ない…エレンをかどわかすビッチ、あなたは私が滅する」スッ

ミカサは改めて転龍呼吸法で深呼吸をする。
そして、戦闘の構えをとりなおした。

ミカサ「私のご先祖には、「悪党に墓標は必要ない」という名言がある…エレンをだまし、籠絡させようとするあなたは悪党に違いない…塵芥も残さぬよう粉砕してやる」ダダッ

ミカサはアニ目掛けて一気に駆け出す。
そして、いきなりアニの後頭部に、(脳天をかち割る)岩山両斬波を繰り出そうと腕を振り上げる。

ミカサ「岩山…」ゴゴゴゴゴ…

エレン「危ないアニ!」ズルズルズル

アニ「…」タタタ,スッ

ミカサ「…両斬p…―――ッ!?」ババッ

狙われたアニは、音もなくミカサの軌道からずれた。寸ででミカサはのけぞる。

ミカサ「…貴様、その身のこなし…拳法使いか…!!」

アニ「ふ…今更気づくなんてね…あたしは訓練中に誰が拳法使いかなんて見破っていたよっ!そうさ、あたしは南斗聖拳の使い手、南斗孤鷲拳伝承者のアニだよ」デデーン

ミカサ「…ほぅ…そう。でも困った、相手が拳法使いだと簡単に暗殺できない…」フム…

エレン(暗殺じゃねぇだろ…公然と殺そうとしてたジャン…)

アニ「じゃあどうする?このままエレンをあたしにくれるの?」

ミカサ「ハッ!寝言は寝てからいうといい。…お互い拳法家ならわかるだろう、その答えくらい」

アニ「…ふん、上等ッッ」バシッ

エレン「ちょ、いてぇ!俺を蹴り飛ばすなってぇぇぇぇー!!」ガスッ

エレンはアニに蹴り飛ばされ、10m吹き飛んだ。
アニとミカサはエレンが遠くに行くのを見届けて、お互いに間合いをとる。

ミカサ「エレンを遠くに行かせたのは評価する、だが蹴り飛ばすのは看過できない」

アニ「知らないよそんなの。あれはあたしなりの愛情表現だ。エレンならきっとわかってくれる」

ミカサ「妄言もほどほどにしないと舌を噛み切るぞ」

アニ「黙ってな!…御託はいい、来い!」スス

ミカサ「言われなくとも…ッ!」ダッ


ついに…!
北斗神拳伝承者のミカサと、南斗聖拳伝承者のアニが相まみえる!!

古来より磨かれ続けた2つの拳法は、表と裏、光と闇で一線を引いていた!
しかし、巨人が世界を支配するこの時代に、巨人とは全く関係のない色恋沙汰がキッカケで、二人の達人が死闘を繰り広げる事態に発展してしまった…ッ!!

相手は南斗聖拳すべてを掌握する女アニ!
どうするミカサ! そして、どうしたいんだエレン!!
エレンの所有権は如何に!!!

次回、「南斗推参ッ! ダッチワイフ・アニ!」





[コメント]
ごめん飽きた速報。暇つぶしにまた投下するかも。

[執筆日]
2013.05.26














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第弐話、南斗推参ッ! ダッチワイフ・アニ!
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ふとしたキッカケから、ミカサの誇る力の秘密を知ったエレン!
そう、なんとミカサは北斗神拳の伝承者だった!

北斗神拳は人類最強の暗殺拳と称され、暗殺拳故に秘密を知ることは性か死を選ぶ出来事だったことをエレンは知らなかったッッ
そして、なんの考えもなしに何気なく聞いた質問から発展し、秘匿を知る重要性をエレンはその身に感じる羽目になった!

求愛を端折り、交尾を求め迫り来るうミカサ!
そして、それを止めて我が物にしようと登場したアニ!

どうするエレン! この混沌劇と化した修羅場をどうしたいんだエレン!
エレンの所有権は如何に…ッ!!

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……
………

時刻はすでに七時。日もくれて、あたりは暗くなってきている。そんな中、ミカサとアニが訓練場の中央で向かい合う。

日の光を失った訓練場は、アニとの決闘の前にすでにミカサがエレンと交配するために追い掛け回した結果、ボロボロになっていた。
舗装当番の訓練生が綺麗に整えた訓練場も、今では到底人が走ったあととは思えない穴が無数に広がっていたのだった。そして、その穴も、アニとミカサ、二人の拳法家が争ったこともあり、穴の深さと個数が倍以上に増えていた。もはや常人が闊歩できるグラウンドではなくなってしまった。

ミカサとアニの決闘が開始して一時間。両者に疲労の色は感じられない。
そこにあるのは、一人の男を巡って奪い合う醜い女豹の殺気のみだった。

アニ「…ふん。人類最強の暗殺拳が聞いて呆れるね…殺気一つ消せないなんてさ」

ミカサ「あなたには関係がない。それに古来の伝承者の中には、殺気で相手を殺すほどの者がいたと聞く。むしろこの殺気は北斗神拳が持つ一つのスタイルといっていい」

アニ「といっても、だ。そんなのは暗殺拳とはいえない。そんなに殺気を放っていては、素人以外殺すことも出来ない」

ミカサ「言ってなさい、小汚い雌狐め。あなたも大して変わらないでしょう?」

アニ「ふふ、そうだね。違いないよ…」

両者一向に動きを見せない。
一時間の戦闘の末、ふたりとも一歩も前進後進できない間合いに入ってしまったからだ。
両者に疲労は見られず、この間合も次の一手を決めるための小休止にすぎないのかもしれない。

ミカサ「…アニ。私は知っている。あなたの秘密を」

アニ「へぇ…なんだいそれは。南斗聖拳の者以外にあんたは何を知っている?」

ミカサ「…イフワーク」ボソッ

アニ「あ?」

ミカサ「あなたのライフワークよ…。私はエレンを誰にも渡す気はない…だが、たとえ万が一にでも、エレンを誰かに嫁に出す気があったとしても、あなたにだけは譲れない。あなたのライフワークは害悪すぎるし、生理的に受け付けられない」

アニ「……ふぅん、そう。言ってみなよ。あたしのライフワークだって?そんなの父から教わった足技くらいしかないけど」

ミカサ「そう…あくまでしらを切る気…。じゃぁ、言おう…私はエレンの全ての害を排除するという使命がある、そして、その使命を全うするため、日夜エレンのことを監視している。エレンに悪い虫がつかないように」

アニ「…」

ミカサ「そして、エレンのことを監視していると、幾人か登場してくる人物がいる。クリスタ、サシャ、ミーナ、ユミル…そして、アニ…あなたよ。特にアニの登場回数は他の雌狐達に比べ多く、私は気になった」

ミカサ「だから、エレンの監視の合間に、あなたの監視もすることにした」

アニ「…趣味が悪いね、それで?」

ミカサ「…それから一週間、あなたの行動に不審な点は見受けられなかった…でもある晩、私は見た。あなたが、老朽化を理由に現在使用されていない食料庫へ足を運ぶのを」

アニ「…」

戦闘が開始され、ずっと遠巻きに見ていたエレンは被害回避のためにアニから蹴られた痛みも引いてきたものの、グラウンドを使い物にならないくらいメチャメチャにする戦闘に割って入れるほどの勇気はなかった。 そしてなにより、拳法家なるものが身内に二人もいた事に驚き、拳法家以上に家族だと思っていた人間が一人前の変態持ちであることにため息をつく。これが現実なのかと…そっとつぶやいた。

エレン(…マジかよ…ミカサ、ストーカーしてたのか……アニの秘密ってなんだ…?食料庫?)

ミカサ「私は疑問に思った。今では中に何もない食料庫になんの用があるのかと。何かあるに違いない、と。…そして案の定、あなたが害悪であるという決定的な光景を私は目にすることになった…あなたが、ダッチワイフを作っているという真実を…ね」

エレン(だ、ダッチワイフ…?………って、なんだっけ…なんかアルミンから昔聞いた気が…)

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アルミン「え、エレン!この本の写真見てよ!」タッタッタッ

エレン「ん?なんだアルミン。なにその本」

アルミン「これはね、外の世界の本なんだ!遠い昔、実際に東洋にあったと言われる工場のカタログなんだって…!オリエ○ト工業の!!」ワクワク

エレン「カタログ…?何が載ってるんだ…女の子?」オリエ○ト工業?

アルミン「そう、女の子が載ってるんだ!でもこれはただの女の子じゃない!ダッチワイフっていう人形なんだ!」

エレン「ま、まじかよ!…こんな精巧な人形があるのか!?…すげぇな外の世界…」

アルミン「あぁ!本当にね!でもねそれだけじゃないんだ!この人形は人工の性器がくっついてるんだ!だから、セックスが出来る!!!」ドンッ

エレン「えっ」

アルミン「はぁぁ!外ってすごいなぁ!イってみたいなぁ!」キラキラキラ

エレン「」(アルミン…お前そんな理由で…)
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エレン(アルミン………。そうか、セックスができる人形かぁ…)

そうつぶやくと、エレンの目から光は消えた。

アニ「ダッチワイフ?なんだいそりゃ」

ミカサ「とぼけても無駄。私は知っている、あなたはエレン似の人形を作って、エレンとの擬似セックスをするつもりなんだと…!」

アニ「セッ…!//// ふ、ふざけるなよ!頭がおかしいんじゃないかっ!」

ミカサ「その証拠に、あなたは2日に一度は、夜な夜なエレンのいる所まで行って、毛髪や衣服を採取している…!そして、それを人形の素材に使っている!」

エレン(…そんなことされてたんだぁ…そして、そういう行為って不審な点ではないんだなぁ…)トオイメ

アニ「ふん、それだけかい。だったら可愛いものじゃないかッ!あぁ、そうさ、エレン人形は作ったさ。だがな!添い寝と擬似逢瀬シチュ目的で作っただけだ!淫乱クソストーカー野郎にゃわかんねぇだろうさ、このピュアさがな!」

ミカサ「言うじゃない…でも、私は決定的な光景を目にしている!あなたが、ズボンを脱がして、エレンのエレンを凝視、スケッチしているところを!」

アニ「なっ!?」ビクッ

ミカサ「そして、そのスケッチを元に、人形の股間にそっくりのエレンを作っているところをねぇっ!!」カッ

アニ「」ガクン

それを聞くと、アニはショックにあまり膝を地につかす。間合いは完全に崩れてしまった。
勝負は…拳法とはなんの関係もない所で決した。自身の恥部(性癖)を相手に晒すという、醜悪な結果として決してしまったのだ。

ミカサ「ふっ…他愛ない…それでも拳法家…いや、兵士か貴様は…」

ミカサは捨て台詞を吐くと、宙を返す。
ミカサが向いた先には、目から光を失ったエレンが樹の下でうなだれていた。

ミカサ「エレン…あなたをかどわかすビッチを倒したよ…今、行くからね…」

悪夢の再来である。再び、先ほどの逆レイプ劇が始まろうとしている。
一歩、また一歩と、獲物に飢えた獣が抜け殻と化したエレンへと近づく。
ある程度進んだ所で、後ろから声が聞こえた。

アニ「…てならないね…」ボソ

ミカサ「…」

聞こえたがミカサは無視をした。

アニ「ッ…あぁ゛!?聞こえねぇのかクソ女ァ!聞き捨てならねぇなつったんだよ!!」ガッ

ミカサ「うるさい、聞こえている」

怒鳴りつけるアニに返事をすると、ミカサは歩を止めた。

アニ「返事しろ!チッ…あぁそうだよ悪いか、え?!あたしはエレンとセックスしたいんだよ!!」

エレン(お前もか……もういい加減にしてくれマジ…)

アニ「そうさ、そうだよ、そうだろうよ!だけどあたしは!エレンとの関係が崩れるのが怖いから、一歩踏み出せない!訓練の練習相手に甘んじてきたんだ!」

ミカサ「…」

アニ「そんなあたしだけど、影に隠れて惚れた男の人形と戯れるのくらい許されるだろ!?なにが害悪だ、ふざけんなよ!大体あんたの家族だなんだって言って、エレンに女子を寄せ付けない牽制もうざかったんだよ!ただでさえ浮いてるエレンを余計孤独にしてんのは他ならぬあんたなんだよ、害悪はお前自身だ!」

アニ「家族ごっこはいい加減にしろ!!」スッ

アニは南斗孤鷲拳の構えをとる。

ミカサ「家族…ごっこ、だと?」ピクッ

アニの発言が再びミカサの闘気を燃え上がらせる。
ミカサの顔はいつもの無表情から、鬼の形相へと变化していく。例えるならソレは不動明王の怒顔によく似ていた。

ミカサ「ぶち…殺す…ッ!」

アニ「フン!キレてんじゃねぇよ」タッタッタッタッ

アニがミカサに向かって猛突進していく。距離は十分、アニはミカサに飛び蹴りをかます。
ミカサはそれを向かい打とうとするが一手遅れてしまったため、直に蹴りを食らった。

アニ「遅い!行くぞ、南斗…ッ」

宙に舞うミカサに、アニは間髪入れず追撃をかまそうとする。
北斗神拳は強い、それを知っているアニはミカサの反撃を許さない。

アニ「獄屠拳ッッッ」

アニがミカサの四肢の関節に突きをかます。
ミカサはそれを食らえば反撃ができなくなることを予感し、かわそうとする。
しかし、よけきれず、腕や脚へ攻撃を許してしまう。

ミカサ「くっ…!」

アニ「チッ、外したか!…だが!」タタッ

地についたアニは、すぐさま体勢を整え、ミカサへ向かう。
次の攻撃を繰り出すつもりなのだ。

アニ「南斗…飛竜拳!」ズシッ

そう叫ぶと同時にアニは正拳突きの猛襲をミカサに食らわす。
アニから放たれた拳の先は、的確に砕く点穴を狙っていく。

ミカサ「ッ…甘い!」ババッ

よろけながらも、ミカサは攻撃をひねり出す。捻り出された攻撃は、アニの正拳突きを尽く跳ね返し、相殺していった。
ただの防御は身を守る鎧となるが、攻撃を跳ね返す的確な返しうちは最強の防御にもなり得る。
相手が拳法の奥義で向かってくるときは、受け身のスタイルで迎え撃つのは死を招く要因となり得るのだ。
母親が死ぬ前に戦闘の極意を学び、子供時代にモヒカンなワルガキ共とした喧嘩や訓練兵の経験から、それを身につけたミカサは、アニの必殺技を見事に打ち払って行った。

アニ「防ぎきりやがったッ?! クソ、だがっ、まだいくぞ!南斗ッ」

ミカサ「そうはさせない!奥義…ッッ」ススゥー

さらなる追撃をするために、アニは再び間合いを詰める。
一方ミカサはその場を動かず、素早く、そして静かに構えを取り、

ミカサ「北斗、百・裂・拳ッ!エレンは私のものだァァァッーッ!」ダダダダダダッ

と叫んだ後、北斗神拳必殺の百裂拳をアニへとかました。
ミカサから繰り出される拳の嵐。その一つひとつの動作は美しく、的確に敵の急所を狙っていく。
その奥義は、古来の伝承者たちが敵への手向けとして、送りつける伝説の必殺技だった。

アニ「ぐっ…このっ!」バシバシバババッ

繰り出された拳一つ一つを弾き返そうと、アニも必死に連続した足技を繰り出す。
しかし…

アニ「くっ、はっ…!でやっ!……あっ」ババババババッガスッ

アニ「ぐっ…ハァッ…」

渾身の数撃を鳩尾に食らってしまった。
無念…アニはその場にうずくまった。ミカサは繰り出す拳を止め、アニに近寄る。

ミカサ「…悪くない腕だった。だが、雌狐…貴様はまだ未熟だ…」

アニ「くそっ…くそぉっ!」ググッ…

ミカサ「それと…安心していい。本来なら秘孔をついて、滅殺するところだったが、私も同期の訓練生を殺すほど愚かではない…殺意はあったが、同族殺しは本意ではない」

アニ「…情けをかけるつもりか…ッ!」

ミカサ「勘違いしないでほしい。これは情けではなく、誓いの結果だ。私は昔、エレンと誓いを立てた。強大すぎる私の力を同じ人間相手に使わないことを約束した。だから私はそれを破らない」

ミカサ「つい頭に血が登っていくつか奥義をひりだしてしまったが、誓いのため、秘孔は一切ついていない。ただエレンに近づく穢らわしい雌狐に牽制の打撃を与えたに過ぎない…」フッ

アニ「抜かせ…あたしはまだ…やれr…ぁぐっ」

立ち上がろうとするアニだったが、鳩尾の他に肋骨もやられていたため、痛みで立ち上がれなかった。

ミカサ「やめておいたほうがいい。今の貴様では動けまい…エレンは私のもの。よく覚えておくことね…今は眠っておけ」トンッ

アニ「はん!何言って…うっ」バサッ

ミカサはアニのうなじに軽く手刀を入れる。
アニは間もなく意識を失った。

ミカサ「…エレン」

エレン「」ビクッ

ミカサ「興が…削がれた。悪いけど、交尾はまた後日しよう…」

ミカサはそう言うと、アニを担いで医務室へと歩きはじめた。
時刻はもう10時を過ぎていた。

気づけば、騒ぎを聞きつけた訓練生や教官たちがグラウンドの向こう側で立ち尽くしていた。
いつからそこにいたかエレンにはわからないが、皆口を開け、唖然としていた。

コニー「おいおい…なんだよ今の…」

ミーナ「うわぁ…グラウンドも兵舎も滅茶苦茶に…」

ユミル「くはぁー…やっぱアイツ化け物だわ。」

ライナー「…アニ…」

立ち尽くす観衆から、アルミンが恐る恐るエレンに近寄る。

アルミン「え…エレン。大丈夫…?」

エレン「……あぁ…一応は…」

アルミン「そ、そっか…立てる?君も医務室へ行ったほうがいい……アニの居ない方の医務室に」

エレン「……悪い。…肩を借りるぞアルミン」

アルミン「うん…」


………
……


こうして、エレンを巡って、拳法の達人二人が争うという、訓練所設立以来最悪の暴力事件は収束を迎えた。 後にこの事件は命名由来は謎だが、「狐と鬼の世紀末事件」と呼ばれ、後々の訓練生たちの間で語り継がれる伝説となった。

この事件は、記録上ミカサ・アッカーマンの最初の伝説(?)である。
事件をきっかけに、訓練生の入団前調査では「拳法家であるかどうか」や「拳法家の場合、流派とその詳細を述べよ」といった拳法に関する項目が付け足されることとなった…。



---------

死闘の末、結局雌雄を決することはできなかったミカサとアニ。
だが、ミカサのアニに対する認識は、監視中のソレとは違っていた。
戦いを通じ、彼女がいかに真剣か拳で感じることができたからだった!

一方で、アニは負けたことが悔しく、ミカサの独占を絶対に許さないと心に誓った!
そして、決闘後、以前にもましてエレンへの執着を強めることとなった!!


次回、「それは愛ゆえに…ッ! ミカサ、一日の行動!」





[コメント]
再度飽きた速報。SS作家たちマジ尊師。文才のない自分マジ哀れ。

[執筆日]
2013.06.02














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第参話、それは愛ゆえに…ッ! ミカサ、一日の行動!
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ミカサとアニ、二大強者による、エレンを巡る決戦が行われた!
性癖を暴露され、逆上したアニがミカサの痛烈な攻撃を喰らい負けるという凄惨な決着を迎えてしまった!

身を焼かれそうな屈辱を受けたアニは、エレンへの執着をより一層強め、ミカサへの復讐を誓う!!
一方で、ミカサは彼女を『エレンの魅力がわかるデキる女』として認めることとした!

しかし、受け止めたからといってとどまるミカサではない。
あくまでもエレンの正妻は自分であり、魅力がわかる女だろうと、かどわかす女性は犬の糞以外でも何者でもなかった!!!

そんな顛末から一週間が経ち、あの嵐のような一日(決戦)が忘れ去られようとしていた…
しかし…

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ミカサとアニの世紀末決戦が終結して早くも一週間が経過した…
ミカサに襲われかけたエレンは、その日を堺にミカサの秘密と性癖…そしてアニの性癖まで知ってしまう。
たとえエレンでなくても、家族だと思っていた女性の性事情など知って得することは一個もなく…むしろ引いてしまった次第である。
心境としては、未だに母が現役のオナニストであることを知ってしまった息子のそれである。

そしてまた、戦いの中、飛び火してアニの性癖まで知ってしまったが、これも対処に困っていた。
正直、訓練相手としか見ていない相手が、自分にZOKKONだったなぞ想像だにしなかっただろう…。
ましてや、ダッチワイフなるものを制作し、自分を慰めていたなど想定の範囲外である。

そんな悩みの渦が脳内にとぐろ巻くある日の朝、エレンは再び悩みの種を自覚することとなる。

エレン「…マジかよ…」

朝起きて、己の布団を見回すと、布団が引剥がされ、衣服がはだけ、ズボンが脱げている自分がいた。

エレン「どうりで寒いと思った…しかし、これは…」

あの決戦以前ならば、エレンも疑うことはなかったろう。
きっとまた自分の寝相の悪さが、布団を引剥がさせ、ズボンを脱がせたのだろうと。

しかし、事実を知ってしまった今、エレンは目下問題が進行中であることを知る。
引剥がされた布団には、黒い毛がいくつも散布されており、その毛はエレンが日頃目にする自分の抜け毛の長さではなかった。
そして、ズボンが脱げ、己の息子がむき出しになっているが、これも不可解で、金髪の毛が息子に巻かれていた。
下半身の周囲には、黒ずんだパンや木炭のカスがばらまかれており、明らかにスケッチをしていたであろう痕跡が残されていた。心なしか、身体中がカピカピしている。

エレン「これは…これは俺の寝相ではない…絶対に…」

よくよく思い返すと、こういったことは週3ペースで起きていた気がした。
だが、幼少期から寝相の悪さで母に怒られていたエレンは、それは手前が起こした粗相に過ぎないと流していたのであった。

エレン「………」ウル

変な所で真面目な二人のことだ、きっと貞操は失っていないだろう。
しかし、事実を知ってからこの惨状を目にすると、容易に二人の変質者が己が寝ているのをいいことに好き放題しているようにしか見えない。というかそうなんだろう。
そしてその悪行が日常的に自分へ行われていたということを、物証付きで自覚せざるを得なかった。
身に起きたことへの恐怖と、後始末が億劫になる憂鬱で、エレンは軽く涙目になってしまった。

エレン「…巨人を駆逐するって、一人前の兵士になるって…そう決めて……立派な兵士になる前に…なぜこんな惨めな思いをしなくちゃならねぇんだ…せめて俺にバレないようにやってくれよ…」

思いの丈をつぶやくエレン。
本当にかんべんしてくれ…という思いが表情に目一杯出ている。
しばらく身を起こし呆然としていたエレンだが、同期の訓練兵と同室であることを思い出し、
彼らが起きる前に片付けを始めることにした。

エレン「ズボン履こ…今日は早く起きちまったから、朝食まで時間がある…」

エレンは息子に巻き付いた金髪を解き、のそのそとズボンを履く。
ベッドに散らばったゴミを取り払い、布団をたたもうとする。

エレン「うわ…濡れてる…なんだこれ所々ヌチャヌチャと濡れてるぞ…」

想像もしたくなかった。きっとナニの液なんだろう。
普段から寄せてる眉間の皺がより一層深くなるエレン。
このまま畳んでも、カビが生えるかもしれないので、外で布団を干すことにした。
起床から時間が経っている、そろそろ同室の訓練兵たちが目を覚ます頃合いである。

アルミン「ふぁ…おはようエレン…どしたの。エレンにしては早いじゃない」

噂をすれば影、幼馴染のアルミンが兵舎からのそのそと出てきた。

エレン「おはよ。あぁ…ちょっと……寝汗がひどくてな。干すことにしたんだ」バシッバシバシッ

アルミン「ふーん…」(それにしては濡れてる場所が断片的だけど…あぁ、ミカサの悪行かぁ…)

アルミンは目をこすりながら、頷いた。
エレンは親の敵でも討つかのように棒で布団を叩いている。どう見てもホコリを叩く威力ではない。

アルミン(入団前にあれだけ注意したのに、まだしてたんだ…しかも今回はバレてるっぽいな…)
アルミン(…なんだか、胃がキリキリしてきた気がする…はぁ)

アルミンは陰鬱な幼馴染の性事情に対し表情を曇らせつつも、
エレンに悟られないように会話を続ける。

アルミン「そっか…ん~…お腹空いてきたな」

エレン「ん。そろそろ飯時だから、ライナーたちを起こして食堂へ行こう」

アルミン「そうだね…うん、起こしてくるよ」

そう言うとアルミンは兵舎に戻り、同期の訓練兵たちを起こしに行く。
全員起きると朝食を食べに食堂へとぞろぞろと向かっていく。

ライナー「そういえばエレン。昨日お前のベッド付近がギシギシうるさかったんだが、悪夢でも見ていたか?」

エレン「あ、あぁ、ちょっとな。寝相が悪かったみたいだ」

アルミン(…本当はミカサが夜這いを仕掛けたんだろうけど…)

ライナー「あー、なるほどな。エレンは寝相が悪そうだもんな」

エレン「悪いな、寝てるのにうるさくして」

ライナー「いや。気にするな。男なら寝相が悪かったり、いびきがひどかったりする奴多いしな」

エレン「はは、ありがとな…」

ベルトルさん「まぁ、そういう日もあるよね。…あ、そういえば、今朝方猫の悩ましい声がしたんだけど…発情期なのかな…春先じゃないのになぁ…」

ライナー「え、本当か…俺は聞こえなかったけどな…」

エレン「あー…あー、それは…」

アルミン「おっとっ!もう食堂についたよ皆!いこいこ」(あまり昨晩のことは引き伸ばさないほうがいいよね)

エレン「!…すまんベルトルト。俺もそれは聞こえてないな!そんなことより食堂行こうぜ!」

ベルトルさん「んー…まぁいっか。季節外れのアレだったんだろ。そうだねエレン。行こう」
     (アニっぽかった気がするけど、さすがにそれはありえないよね…うん、発情期だ。猫の)

女子も合流して、エレンを始めとした訓練生が食堂へと入っていく。
それぞれ食事を受け取ると、いつものグループにわかれテーブルへと移っていく。

エレンはアルミンと一緒に席に着き、ミカサも続いて席につく。
いうまでもなく、エレンの隣だ。

ミカサ「おはよう二人とも」

エレン「お、おう。おはようミカサ」ビクッ

アルミン「おはよう…ミカサ」

ミカサ「?……エレン、どうかした?」

エレン「べべ、別に、なんでもねぇよ。俺のことはいいから、飯を食おうぜ」

ミカサ「そう…?…?」

アニ「…」

エレンはミカサの問に不自然に答えてしまったが、ミカサに心当たりはない。
エレンたちが食前の会話に勤しんでいる中、隅にいるアニは静かにエレンたちの様子をうかがっていた。

ミカサ(エレンの様子がおかしい…たしかに、決闘以降少し距離を開けていたけれど、ここまで私に恐怖している様子はなかった…何かあった…?)

ミカサ(昨日までは引く位だったはず…ということは、昨晩…?)

ミカサは昨晩の行動を思い出す。しかし、自分に不備は全くなかった。
なぜなら、ミカサは長年の失敗と教訓、そして、北斗神拳伝承者という神秘の拳を利用した最強のストーキング手法を体得しているからである。
ミカサは、(カルラ・グリシャ曰く、)ストーカー史上最悪の乙女だと言われた女の子だったのだ。

ミカサ「…エレン、ごめんなさい。ちょっとお手洗いに行ってくる」

エレン「おう…」

アルミン「うん、いってらっしゃい。すぐ戻ってきたほうがいいよ。営巣帰りの餓えたサシャが狙ってるみたいだから」

サシャ「飯を残して席を立つ悪い子はい゛ね゛がー…食わねぇ奴はい゛ね゛かぁー…」ウロウロ…ウロウロ…

ミカサ「わかった。すぐ済ます」

そういってミカサは席をたち、お手洗いへと足を運ぶ。
通り際に、サシャが「あれ!?ミカサ食べないんですか!パ、パァンをいただけませんか?」と激しく食いついてきたが、「ごめんなさい。あとで食べるの。代わりにライナーが朝食を分けてくれるって」と切り返した。
お手洗いにつくと、個室へと直進し、個室の中でミカサは昨晩の行動を思い出すことにした。
ミカサにとってエレンの不調は自分の不調。不安因子があるならば、早急に排除しなくてはならない。
たとえ些細な事でも、それが後々大きな火種になることをミカサは身を持って知っていた。それ故に、この真剣さは至極当然の態度であった。

ミカサ「…歴戦の成果から学び開発した北斗尾行脚、証拠隠滅術を持つ私に不備はないはず…が、自分の思わぬ所でミスをしているかもしれない。昨晩の行動を思い出そう…」ウーム


……
………

すとーかーみかさ の いちにち☆

深夜2時

ミカサ「…」ムクリ

ストーカーの朝は早い。
起床は深夜の2時、皆がまだ深い眠りに付いている時である。
音もなく布団から起き上がると、ミカサは転龍呼吸法で深呼吸した。

ミカサ(待っててエレン…今日も会いに行くから)キリッ

ミカサはベッドの上で素早くストーキング衣装(ピチピチのGパンとピチピチの長袖シャツ)に着替え、細心の注意を払って兵舎を出て行く。
ミカサレベルのストーカーにもなると、どこを踏めば床が軋むのか、どれくらいの力加減で歩けば軋まないのかすべて記憶している。
訓練兵団入団後すぐに、己の兵舎とエレンの兵舎の床調査を済ませているため、抜かりはない。
並の拳法家でも、この隠密行動に気づくものは少ない。
転龍呼吸法の補助もあって、完全肉体制御を成し得たミカサは、床情報以外でも完璧な気配消去と無音ステップを現場で実践している。
これに気づく者がいたとしたら、まだ見ぬ南斗無音拳の達人くらいだろうか。

ミカサ(ここまではなんも苦労もしない。幸いにして我が兵舎には拳法家はアニしかいない。そしてアニは眠りがとても深い……問題は男子寮までの道のり…)

原則として男女問わず、性別分けされた寮に異性が侵入することは許されない。
いくら兵士見習いとはいえ、一人の兵士。厳しい訓練の中、過ちを犯す者も珍しくはない。
実際に、過去の訓練兵で婦女暴行を働いた不届き者はたくさんいる。
そのため、男子寮と女子寮の間では、キース教官が単独で深夜帯の見回りをしている。それも通常の夜間巡回よりも多い回数で。

ミカサ(キース教官は拳法家ではない…しかし、歴戦を乗り切った兵士であり、私の憶測だと武の道に天性の才を秘めている。 過去の婦女暴行未遂を何件も立件したのもその才能が隠密行動している訓練兵たちを見つけさせたのだろう)

巨人が支配し、人間が対抗すべく躍起になっている今現在。
訓練兵団に入団しようとするものは後を絶たない。保身、挑戦問わずに。
そして、その訓練兵団入団者の中には、当然ミカサのように拳法家の子が入ってくることも珍しくない。

エレンの行動観察(ストーカー)をするにあたって、過去の婦女暴行事件をミカサは洗いざらい調べ、犯人として捕まった人間たちの素性も入団前に徹底して調べあげた。
入団後犯行に移る前に、拳法家の訓練兵の卒業・犯歴情報も把握して置かなければ、エレンを守る大義(という名のライフワーク)を十二分に実行できないかもしれないからだ。
下手をすれば大儀を成し遂げる前に、開拓地送りが決定しかねない。
調査の結果、危惧した案件もすぐにミカサの目についた。過去隠密行動を軸とする拳法の伝承者たちが数人ほど捕まっていたのだ。

ミカサ(私からすれば雑魚だが、彼らも並の拳法家ではないことは下町の噂で聞いていた…婦女暴行ごとき容易にこなせるはず…しかし未遂のまま捕まった。キース教官は注意すべき人間…)

兵舎を出るとミカサは素早く隣の兵舎の裏へと隠れる。影に隠れて隈なく教官の巡回ルートの気配を感じ取らねばならなかったからだ。
武に通ずる者は目視のみで行動を完全に予測することはできない。
彼らは、相手の死角を利用して急所をつくこともままあるのである。
(無論、気配に関しても完全とは言いがたいが、目視より遥かに察知能力は高い)

その留意点はキース教官に対しても例外ではない。
彼は訓練中気配を消して訓練生たちの前に現れ、制裁と説教を食らわす現場をミカサは何度となく見ている。
そのためミカサもキース教官は目視だけで収まる人間ではない、という結論を早急に出した。
彼の隠密スキルは、人の察知能力に優れた巨人相手では活かせる能力とは言いがたいが、人間相手には絶大な効果を及ぼす。こと索敵必殺においては、期待以上のサポートをする技だと思われる。

ミカサ(……キース教官は…いない……やはりこの時間は問題ないのだろう)ゴクリ

ここまで用心するからには、当然ミカサはキース教官の巡回コースと巡回時間を細かく記録し、把握している。
が、巡回の目的が不届き者の確保を目的としているならば、たまにいつもの周期とは違うランダムな時に現れることがある。過去数回それでミカサは見つかりそうになっていた。

ミカサ(…大丈夫そうだ…教官のいる兵舎の方に明かりが止まっているし、まだ兵舎を出ていないのだろう。
予定通りなら、第四巡回まで時間がある。細心の注意を払って、行動観察に移ろう…)タタタッ

ミカサは再び音に気をつけて、無音ステップを踏む。
その足取りは実に軽やかで、ミカサの身体は引き寄せられるようにエレンのいる兵舎まで足を運んだ。

ミカサ「はぅ…え、エレンの野獣スメルがする…鼻が駆逐されそう…///」ジュン

ミカサはエレンのいる兵舎内に侵入すると開口一言、興奮を示唆する言葉を発した。
出入り口からエレンまでの距離は、それなりに離れている。
しかし、彼女の嗅覚は敏感に彼の匂いを嗅ぎ分け、脳内に嗅覚情報を伝達。そこから脳は全身に興奮指示を出したのだ。

ミカサ(ふふふ…エレン…エレンエレンエレン…私は知っている。エレンは息子の洗浄をあまりうまくできていないことを…ふふ…ふふふ…あぁ、こんなに離れていても匂う…エレンの匂い…)///

ミカサは、これまでの人生で数多の修行や訓練をこなしてきた。
北斗神拳の修行、対人格闘や古武術の訓練、観察行動の修行、対エレン用隠密行動術の開発…そして、五感の鋭敏化を図る感覚強化の修行。

訓練の大半が(欲望のための)自主練習によるものだが、その中で、感覚強化修行は彼女の願望を一番満たしてくれる成果を誇る。
1μmの変化すら感知できる触覚、1km以内の微量な匂いも察知できる嗅覚、10km先の微音も聞き取れる聴覚、100km先も細かく見渡せる視覚…ありとあらゆる僅かな情報を俊敏に察知できる超感覚である。
しかも、オン・オフが自在にできるから驚きだ。
これもミカサが北斗神拳伝承者で、全身の制御を可能とした超人でなければ成し得ない奇跡としか言えない。

ミカサ(私は毎晩訪れる今この瞬間のためだけに、今まで厳しい修行に耐えてきた…ふふ、エレン…私の可愛いエレン…)///

エレン「んん…ん~…」ビクッ

ミカサ(おっといけない。鼻息を荒くしすぎてしまった…エレン、寝ているところごめんなさい)ナデナデ

エレン「んんぅ…グーグー…」zzz

ミカサ(寝たようね…これ以上は教官のこともあるし危険だ…私はそろそろ御暇しよう。おやすみなさい、エレン)

ミカサは肺いっぱいにエレンスメルを吸い込むと、そのままベッドから降り、息を止めて素早く自分の兵舎へと戻っていった。
肺いっぱいにエレン臭を貯めこみ足早に去っていくミカサの顔は、初恋をした少女のような満面の笑みだった。

…お気づきだろうか、そうなのだ。ミカサはただ寝顔を見て、匂いを嗅いで帰っただけなのだった。
ミカサには独自の観察行動に対する持論があり、それは「相手の生活を阻害することは第一に避け、その範囲内で自分が満足できる嗜好を享受する」というものだ。
ストーカーとしての身バレが怖いというのもあるだろうが、それ以上にエレン自身を怯えさせ、生活に支障を来すようにさせたくないというミカサの想いがあるのだった。
もっとも、ミカサが変態行為をやめればそんな持論展開せずとも良いのは明白である…。

………
……


ミカサ(…おかしい…何度思い出しても、私に不備は見当たらない……なぜ…)

ミカサは個室トイレで唸る。
エレンの挙動がおかしい理由の検討がつかず、もやもやが一向に晴れない。

ミカサ(…まさか、私以外の誰かが、エレンに夜這いを…?)
ミカサ(しかし…誰?……アニは寝ていたし、…いや、もしかして…)

ミカサはベッドへ兵舎に戻った後のことを思い出す。


……
………

ミカサは兵舎に戻ると、前と同じように無音で自分のベッドまで戻った。

ミカサ(……兵舎に戻った。…あぁ、エレンがまだ肺の中に居る…)ゾクゾクッ
ミカサ(…んん///…ぁっ///……。…でも…うん、このまま寝れない…明日もあるし、今日は諦めて枕にエレンスメルを吐いて、寝よう…明日もあるし…)フハァーッ

自分の枕におもいっきり肺の空気を吐いて、ミカサはベッドの中へ潜る。
空気をはらんだフカフカ枕は、ミカサの頭部の重みでゆっくりとしぼんでいく。

ミカサ(ふふ…私とエレンの匂いが混じって交じり合ってる///…いい夢が見れそう)ボソッ

ミカサ「おやすみなさい、エレン…」

そうつぶやくと、ミカサは安心しきった顔で夢の中へ落ちる…。
夢へゆく途中、ミカサは妙な気配を感じた…

??「…寝た、か…」ゴソゴソ

が…時は遅し、夢への列車はミカサを乗せて出発してしまった。
ミカサは僅かな疑問を感じたが、すぐに意識が遠のき、夢の中へと旅立った。

??「悪いねミカサ…今からあんたよりエレンを楽しませてもらう…」ニヤァ

………
……


ミカサ「…確かに誰か起きていた…いたけど、誰だかわからない…」

ミカサ「…しかし、あの気配はアニのような気もする……もしもアニなら、この愚行を許す訳にはいかない…エレンのためにも…そして私のためにも」
ミカサ「確認しなくては…」

ミカサはすぐに個室を出て、アニの元へと行く。
アニは食堂の隅で、ちょうど朝食を食べ終わるところだった。

ミカサ「ちょっといい?」

アニ「……なにか用かい」

ミカサ「ここじゃ場所が悪い…こっちへ来てくれる?」

アニ「………わかった」ガタッ

ミカサはそう言うと、食堂を出て、アニの食料庫(アニのダッチワイフが格納されている使われていない食料庫)へと向かう。
続いて、アニは立ち上がり、ミカサの後を追う。

ライナー「お、おい…ミカサ…」オレノメシガ…

サシャ「ごちそうさまでした!…あっと、ミカサ!結局ご飯は食べないんですか?」モッキュモッキュ

ミカサ「えぇ…サシャにあげる」

サシャ「ひゃふー!ぃぇえーいぃっ!!ありがとうございますぅ~っ!」ガバッ

サシャはミカサの朝食に飛びつき食事を続行した。
その後ろでうなだれるライナーは、己の無力に打ちひしがれている。

アニ「あほらし…」ボソッ

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ミカサとアニはアニの食料庫へとたどり着く。
訓練まではまだ少し時間がある。
くたびれた食料庫内は所々に傷みが生じ、こげ茶色の木材も今となっては黒ずみがひどくなっている。
床を踏むたびに「ギィィギシッ」とひどい音がする。
きっと踏み違えば床が外れる場所もあるだろう。その証拠に傷みが激しい箇所は穴が空いている。
蜘蛛の巣があちこち貼り巡り、食料庫内は使われていないことを全身で主張していた。


ミカサ「食事中にごめんなさい…でもあなたに話があるの」

アニ「いいよ別に、どうせ残りはサシャが食べるし。…それより何か用?訓練も近いし早くしてほしいんだけど」

ミカサ「ありがとう。…じゃぁ本題に入る。あなたは昨晩エレンの兵舎に行った?」
アニ「…。さぁ…いきなりどうしたの」

ミカサ「エレンの様子がおかしい。でも、私に心当たりはない…あなたなら知ってるかもって思って…」

アニ「…そう…でもなんで私に?」

ミカサ「…昨日。私は昨晩…お手洗い…に行って、再び眠りについた。その時…あなたは私が寝るのと同時に起きたように感じた…あなたは、なにをしに、どこへ、行ったの」ズイ…

アニ「……」

ミカサ「…何か、知らない…?」ゴゴゴ

アニ「…お手洗い…かな。あんたと同じだよ」

ミカサ「…」

アニ「何…?あたしの回答が不満?」

ミカサ「…そう。…それが本当なら、もうあなたを疑わない…」

アニ「…そっ」

ミカサ「でも、もしもそれが嘘で…エレンが今、おかしくなっている原因だとしたら…私はあなたを許さない…あの戦いの中で、私はあなたをエレンの魅力を知っている女性として認めた」

アニ「…」

ミカサ「でもそれはそれ。エレンは私のもの、そして私もエレンのもの。命を助けてもらったあの日から、ずっとそう。あなたがエレンをかどわかすことは決して許されない…今はあなたを信じる、でももしあなたが…」

アニ「…」イラッ

ミカサ「…あなたを、…駆逐する」

アニ「…」
アニ「…チッ、……エレンの彼女面しやがって…」

ミカサ「…」

アニ「うるせぇよあんた…ただの幼馴染のくせに、いつもいつもエレンの彼女面しやがって…あたしがどんな想いでいつもいるか本当は知ってんだろ?魅力を知ってるだ?知ってるよそりゃ、…だって、好きなんだから!!」

ミカサ「…そう、なら…」

アニ「ならなんだよ、言ってみなよ!あたしは、あんたの独占欲も牽制も上から目線も、全部全部嫌いだ!もういい加減イライラしてんだよ!」

ミカサ「…本当に残念。あなたを…駆逐しなくてはならない…」ゴッ

アニ「はんっ!上等よ!前の戦いは負けたと思ってない、まだ白黒つけるには全然足りない…ッ!」スッ

ミカサとアニ。先の決戦から一週間強…実に僅かな間隔で、再び二人の闘神が相まみえることとなってしまった。
両者はものすごい闘気を身にまとい、お互いに睨み合いながら戦闘スタイルへと構えをとる。
冷徹な眼差しを送るミカサ、怒号の眼光で突き刺すアニ。

ミカサ「…あなたを削ぐ前に、一つ聞きたい。結局、昨晩あなたは何をしていたの?答えて」

アニ「あぁ、いいさ。あたしはエレンにマーキングを…いや、傷物にしてやった…」ニヤ

ミカサ「…ッ」

アニ「ふふ、悔しい?羨ましい?妬ましい?恨めしい? ふふふ、そう、もうエレンは傷物だ。あたしがそうした。知りたい?知りたいよね?あはは、うん、教えてあげるっ…昨晩、あたしは…――」



……
………

すとーかーあに の いちにち☆

アニは、息を潜め、目を閉じ、その時を待っていた。

毎晩毎晩、日が沈み夜が深くなってきた頃合いに、ミカサが兵舎抜け出すことをアニは知っていた。
そして、ミカサが抜けだして何をしているかも、アニは知っていた。

ミカサの不審な行動を知ってから、アニはそれが気になり後をつけてみたことがある。
決戦より以前の、ある晩のことだ。
幸いにして、父が教えてくれた南斗聖拳の中に南斗無音拳に関する修行もあり、本業の拳法家には劣るが暗闇で気配を辿られず移動する術は体得していた。
たとえ教官が近くにいようとバレずにその横を通過することもアニにはたやすいことだった。

アニが目にしたミカサの行動は常軌を逸する徹底した隠密行動だった。あまりに周到で、あまりに異常だった。

後をつけてみると、ミカサはエレンの兵舎へと足を運ばせ、エレンのベッドの上に仁王立ちしていた。
上からじっとエレンを眺めている。時折、モゾモゾと動き、悩ましい声がするのも聞いていた。
きっと、彼女の細く綺麗な指で秘匿の穴をエレンに見せているのだろう。
そして、その指が穴の周囲をなぞり、頻繁に穴の先へ出入りしているのだろうとアニは思った。
自分の想像力の豊かさには引いたが、かすかに聞こえる嬌声と水音はそうとしかアニには思えなかった。

そこで何が行われているのかアニにはわからない。
いくら南斗無音拳をかじってるからと言って、天性の才を持ち、誰よりも努力する武神、ミカサに近づけば、一発でこちら側の行動がバレることはわかっていた。
だから、見聞きしているのはエレンの兵舎から15mほど離れた木の影からだった。
もともと人より少し耳と目がいいアニは、夜の静音さも相成って、エレンの前で行われるミカサの情事はすぐにわかったのだ。

アニ(…あいつ、毎晩あんなこと…)
アニ(ただでさえ昼間もエレンにべったりで、周りの女子を牽制していたのに…夜まで…)ギリッ

アニはその晩あったことを思い出し、憎くて歯ぎしりをする。
静まった夜の女子寮にギリギリと歯ぎしりの音が響く。

アニ(……いけない…音が…そろそろミカサが帰ってくる頃合いだ)ハッ

一息ついて、アニはため息をつく。

アニ(…しかし…ミカサの牽制も私からすればうざったくてしょうがない…けど。…あの牽制の意味もないんだよね…エレンは口を開けば、巨人駆逐しか言わないし。普通の女子なら引いて近づかない…)
アニ(……あたしって、普通じゃない……のかな…)ハァ

ため息は二度三度と口から出てくる。

アニ(いけないいけない。もうすぐミカサが来てしまう。気を引き締めねば)

アニが気を引き締めてから数分、ミカサが兵舎の前に現れる。
日頃の無表情からは想像もできない満面の笑みで、音もなく自分のベッドへと移動する。
正直異様な光景である。今にもウキウキとスキップしそうなのに、音を出さずに歩いているのだから。

アニ(うわぁ…何あの顔……くっ、どうせまたエレンの前で耽っていたに違いない……くっ)

布団の隙間から薄目で覗きこむアニ。なんとか歯ぎしりをこらえて、息を潜めた。
アニにとって、昔から寝息と同じリズムで呼吸することは得意だった。
数ある南斗聖拳分派の中で南斗無音拳の基礎を体得し安かったのもこの呼吸調整の才があったからだ。
ミカサほどの達人になると、寝息や鼓動の音まで聞き分け、対象がどういう状態かを判別する。
故に、寝息と同じリズムで呼吸することは、対ミカサ用狸寝入りには必須の重要要件だった。

アニ(?…息を止めてるのか、?…ミカサの呼吸音がしない…)スースー

ミカサ「…」ニヤニヤ///

息を潜めるアニ。兵舎内に入ってきたミカサを眺めるともぞもぞと自分の布団へと入っていく。
光悦した表情で天井をぼーっと眺めるミカサ…しばらくして、うつ伏せになり枕へ顔を埋める。

ミカサ「ふふ…うふふふふ…」フシューフシュー

ミカサは埋めた枕へ思いっきり息を吹き上げた。
その表情は光悦を通り越して、キチガイじみた笑みと化していた。

ミカサ「エレン…えれぇん…んっ…えれぇぇん…」スハースハー

嬌声にも似た声音で、意中の男の名前を呼ぶミカサ。

アニ(…? 何やってんだいあいつは……息止めたり、枕に吐いたり…)スースー

ひと通り己の吐息と周囲の空気を愉しんだミカサは再び仰向けに戻り、「おやすみなさい、エレン…」とつぶやいて、眠りについた…。

アニ「…寝た、か…」ボソッ

アニ(…とりあえず、敵は(眠りに)堕ちた。…もう邪魔するものは誰もいない…)

アニは、南斗無音拳を活用して、音もなくベッドから降りた。

アニ「悪いねミカサ…今からあんたよりエレンを楽しませてもらう…」ニヤァ

近寄って確認したが、ミカサは完全に意識を失っている。
日頃のミカサなら、眠っていてもこの距離で近寄れば目を覚まし、殺しにかかる所だが…よほど疲れる行為をしてきたのだろう。顔から15cmほどの間隔で近寄っても気づく気配がない。

アニ(この満足そうな寝顔…よほど気持ちイイことをしたんだろうね…チッ、羨ましい…)

これ以上近くにいると、起きてしまう危険性があるため、アニは早急にその場から離れ、エレンの元へと向かった。 愛する男の寮まで向かう道中、アニはミカサの行った今晩の悪行が何なのか考えていた。

アニ(…しかし、ナニをしたんだろうか…気配探知が鈍くなってるし、なによりあの顔………認めたくないが同じ変態として、ナニをしていたか考察できるかもしれない……ミカサはあたしと同系の変態(ストーカー)、行動意義のみが違う。あたしは、好意を素直に伝えられない…でも、せめて、大好きなエレンを感じていたい…感じるためだったら何でもする。…が、あいつは違う…通常の接触じゃ物足りず、余った欲望を満たすためにエレンに対する観察・隠密行動をしている…だがそれもあくまで余剰分。本人にバレないレベルに収めなくてはストーカーをする意味が無い…)タッタッタッ


アニ(また、あたし同様、恋人になれない現状から踏み切った大胆な行動だが、そこに至るまでの努力が尋常ではない…北斗神拳伝承者は皆、壮絶な修行をこなすと聞くが、あの化け物はそれ以上の修行を積んでいるに違いない……というか、あたしより接触しているくせになんて贅沢な…)ギリ

アニ(おっと路線がずれたわ…そして、その理由からあたしよりもミカサはエレンへの発覚を恐れている…ということは、あの晩同様、やっても自慰程度……しかし今日は様子が違った。息を止めて…吐いて、吸って…)

アニ「」ハッ
アニ「ま、まさか…」ゴクリ

アニは気づいた。この意味深な行動が意味することを…!

アニ(まさかアイツ…エレンのナニの匂いを肺いっぱいに溜め込んで、帰ってきたな…ッ!あいつは腐っても北斗神拳伝承者!ならば、30分の呼吸停止など半歩歩くより容易いはず…!!…なんてやつだ…妬ましい)ギリギリギリ

アニ(エレンを肺に貯めこむだけじゃ飽きたらず、己の空気(枕内部にある空気)と混ぜあわせて光悦してやがった…呼吸だけでエレンを全身に感じ、絶頂するなんて…くっ)ブチッ

惜しい、がほぼ正解である。(正解はナニ限定の匂いではなく、エレンの体臭である。)
さすがは同じ変態…並の洞察力ではない。

アニ(あぁぁ…わかったら余計に腹が立ってきた…あたしはあいつより更に上にイこう…! とりあえず、エレン人形用のスケッチを完成させる!)ダダッ

スピードを上げてもなお無音。風の合間を、建物の合間を、光と影の合間を縫ってアニは走りだす。
キース教官が見回りに出ていたが、それも横切って、エレンの兵舎まで向かう。

かじった程度とはいえ、本派の達人が織りなす所業…感の鋭いキース教官ですらその俊足に気づくことはない。
天性の才があれど、分野に合わせた練磨がなされてなければ、感の鋭い凡人にすぎないのだ…。

アニは、慎重にエレンの兵舎へと向かったミカサより遥かに早い時間でエレンの兵舎へとつくことができた。

アニ「なんとか…着いた…」ギィィ

ゆっくりと扉を開くと、木造独特の開閉音が僅かに部屋へ響く。出入り口から侵入した後、エレンのベッドまで素早く移動した。
鳥目が効き、(食料庫のおかげで)木材の傷みを熟知してるアニにとって、軋む音を抑えて木造の建物を移動することなど容易かった。
エレンのベッドまでたどり着くと、日頃出せない想いがじんわりとアニの顔面全体に広がる。

アニ(!…え、エレン…えへへ…)ニコニコ

ライナーやベルトルトが起きていたら、アニの表情に驚愕するだろう。
同郷で長らく一緒にいた腐れ縁でも、お目にかかれない程の満面の笑み。日頃のアニを知ってるものが見たら、アニの姿をした別人だと思ってしまうだろう。

早熟なミカサに比べ、恋心を抱くのすら初めてのアニ。エレンのベッドへとたどり着くと、幼児の歩行訓練ばりの拙い足並みでエレンのベッドの上へと這い上がる。
這い上がる際に布団を引剥がし、アニはエレンの上に四つん這いになる。

アニ「エレン、エレン…えへ、えへへへ…」ギュウウウウウウ…

隠密行動の成果で、エレンの眠りの深さをアニは知っている。
なので躊躇なくエレンに抱きつく。

アニ「えれん…ごめんね、訓練の時いっぱい蹴っちゃって、ごめんね、きついことしか言えなくて…大好きだよえれん…えへへ…」スンスンスン、スーハースーハー

アニ「いい匂い///……むっ」スンスン、スン?

やはりミカサと同系の変態なだけあり、すぐにミカサの残り香を嗅ぎとるアニ。
デレデレに緩みきった表情が、わずかに怨嗟に歪む。

アニ「ミカサ……気持ち悪いよねエレン。家族なのに、体臭嗅いで絶頂する女なんて…今あたしがあんたのミカサ臭を駆逐してやるからね」

そういうとアニは、(熟睡してるエレンが起きない程度に)エレンの体中に肉体をこすりつける。
小柄な体格に程よく引き締まった筋肉、それでいて女性の柔らかさもきっちりある身体はエレンの身体と密着する。アニが小刻みに揺れるため、エレンの身体もゆさゆさと揺れ、服同士の摩擦音を出す。

アニ「ん…んんっ…」スリスリスリ

徐々に興奮が増してきたアニは、頻りにエレンの太ももに股間をなすりつける。
その動きは実に野性的で、野生動物のマーキングの動きと酷似していた。

アニ「はぁ…はぁ…もう、だめ…んっ///」コスコスコス

アニ(こ、これ以上はまずい…スケッチどころではなくなってしまう///)

小さく絶頂を迎えたアニは渋々エレンの上からどくと、持ってきたスケッチ用具をカバンから取り出した。
他の訓練兵もいつお手洗いで起きるかわからない事も踏まえ、なるべく早くスケッチ作業に移るアニ。
一式画材道具を出し終えたあと、エレンのズボンをそっと下ろし、息子様のご尊顔を拝む。

アニ「ぅぅ…/// 何度見ても平常時なのに大きい///……でも、エレン人形で使いたいのは隆起した男根…」
アニ(ならば…あ、あたしが…)///

アニは息子様の竿を優しく掴み、1・2、1・2とリズミカルに運動をする。優しく、スムーズに。
すると竿はどんどんと固く長く大きくなり始め、ついには隆々とそびえ立つバベルの塔となった。
完全に膨張しきったソレは、アニのウォールマリアを貫通するには大きすぎるバベルだったが、アニは長年会えなかった恋人と再開したかのような表情で禍々しい塔を愛おしそうに眺めていた。

アニ「戦いのあと一度も見てないから、もう一週間ぶりになるのか…ふふ、久しぶり。エレンのお○ん○んさん♪」ツンツン

隠れ変態は、誰も見ていないところでは実に大胆である。
ミカサとの会話では、性器の俗称すら赤面で言えなかったアニだが、先程から誰も見ていないココでは乙女化し、大胆不敵に卑猥なことをやってのける。
雌型の変態が如何に恐ろしい生物なのか、これを見ている諸君も実感しているだろう…。

ひと通りエレンの息子様を弄って遊んだあと、アニは出した画材道具で一週間以上前に描いたスケッチの続きを描き始める。

アニ「…。……ん、あとは、このカーブを描いて、先っぽを描けば完成か…」カキカキ

とても美術に才があるとは思えないアニだが、意外にもそのスケッチは上手かった。
男根でなければ、褒められる才能である。

アニ「よし、できた……はぁ、あとはこの前の休暇で買った粘土で形を整えれば完成だ…」フゥー

本当に男根じゃなければ、素晴らしい出来だった。
実に残念極まりない。
スケッチが完成したアニは、しばらく逞しいバベルを拝むことにした。
未だ硬化を保ち続けるソレは、ドクン、ドクンと脈打ち、ウォールマリアに突撃したい!と激しく自己主張をしていた。

アニ「はぁん…やはりエレンの巨人は惚れ惚れする……刺激してから、二十分以上放置しても大きさが変わらない…」
アニ(ってことは凄いんだよね多分……何もしなければ直ぐに縮むって人もいるらしいし…)

エレンの巨人が如何に男性として優秀かを硬化持続時間で実感するアニ。
これを自分のウォールマリアへと侵入させ、子を孕まされる妄想をついついしてしまう。

アニ「うっ…なんだかムラムラしてきてしまった…」///
アニ「ちょ、ちょっとくらいなら…いいよね」

ご賞味馳せ参じることにしたアニだが、さすがに本人が寝ている時に処女を奪ってもらいたくないため、とりあえず巨人を始めとしてエレンを執拗に舐めまわしはじめた。

アニ「ん…れろ…んん…」ペロペロ

エレンの巨人をなぞるように舐めるアニ。巨人は硬化しきったはずなのに、更に成長をし始める。
ドクドクドクドクとさっきの脈動よりも大きなうねりをあげ血液がエレンの巨人へと集中していく。

アニ「あぁぅ…れろれろ…ぢゅるる…ぁん…これがエレンの20cm級の巨人…大きくて、愛おしい…///」

竿、玉、筋…ひと通り巨人を嘗め尽くすと、エレンの服をまくり上げ、腹、ヘソ、胸板、乳首と、雌型の変態は上方へ侵略していった。
エレンの引き締まった身体は徐々に粘り気のある液体でベトベトに汚染されていく。心なしかエレンの身体も脂汗を出し始めた。

エレン「んん…ん~~~…ん…」モゾ

アニ(…え、えれん…)ピタ

エレンが唸る。それを警戒してアニは舌の動きを停止させる…が、エレンに起きる気配はなかった。
どうやらここまで侵略されても尚眠りの国から帰還する気はないらしい。
日頃から色恋沙汰に鈍感だが、感覚すらも鈍感なのかもしれない。

アニ(うなされてるだけ…?…エレン、きっと怖い夢でもみているんだね…)

アニ「ミカサにレイプされる夢でもみているんだね…エレン、安心して。今あたしがあんたに上書きするから」
アニは舐めるのを再開した。
再開と同時に、ふたたび侵略は始まった。首、顎、耳、唇へと到達し、ついには寝ている相手に対してディープキスまでやらかしてしまう。

アニ「レロ…んぢゅるる…ちゅ、ちゅぅ…んん、…あっ…ぢゅる……」/// チュッチュッ

興奮はエスカレートする。
アニの表情に余裕がなくなり、人間の女性から獣のメスへと変貌していく。

アニ「せっ…くすはできないけど…チュッチュッ…あぁっ…でも、マーキングなら…いいよね…んぁ…」ペロペロチュッチュッ

エレン「んっ…んんっ…」///

舐めて、甘咬みして、指先で身体を撫で回す。
その繰り返しをひたすら続けるアニ。
終いには己のズボンを脱ぎ始め、寮内にメスの匂いを充満させる。

アニ「ぁっ、…あっ、…あぁっ…あんっ」コスコス

露出したアニの秘境は、溢れ出る蜜で洪水を起こす。
秘境の谷からこぼれ落ちた蜜を拭うかのように、擦り付けるかのように、エレンの身体や布団に股を押し付ける。
押し付け擦り付ける一連の動きは、マーキング行動そのものだった。こすりつける度に、アニはなんども絶頂してしまう。

アニ「あっ…あっあっ…んんっ! …はぁ、はぁ…えれぇん…」コスコスコス…ビクン…ハァハァ…

声を抑えて喘いではいるが、同室なら誰でも耳にできてしまうボリュームだ。男子寮なのに、もうアニの目にはエレンしか写っていないのかもしれない。
もう何度目かの絶頂を迎えてから、アニはエレンの名をつぶやく。

アニ「渡したくない…あんな女に…んっんっ……あんっ…」コスリ…コスリ…

アニ「…んっ……!…そうだ…印を付けておこう…んん…」スリスリ…コスリ…

そう言うと、所々に服や布団の繊維が張り付き、蜜でべっちょりとなった股間をエレンから離していく。
離れた股間とエレンの身体の間には、ぬとぬとと粘り気のある液体が糸を引いていた。

身体を離したアニは、自分の頭から数本髪の毛を引き抜くと、それをエレンの巨人に巻きつける。

アニ「ふふ…これでエレンは私のもの……んっ!…ぁぅ、エレンの所有者になったと思うと、またイっちゃった…」///

己の成し得た偉業をその目で見て、アニは満足そうに微笑んだ。
引き剥がされた布団には、所々に蜜で濡れた後があり、エレンの身体にはぬっとりと自分の唾液と蜜が絡みついている。
しばらく頬を赤らめ、トロけ顔でぬとぬとなエレンを眺めていたアニだが、ふと表情が変わる。

アニ(あっ…これって、エレンにバレてしまうのでは……エレンの巨人に金髪巻いたのは我ながら最高の偉業だと思うけど…訓練兵団内の女子に金髪持ちはたくさん居るわけではない…先日のセリフを聞いてるエレンだから、すぐに自分が疑われるかもしれない。こんな派手にやらかしたのがバレたら……あれ、もしかして嫌われちゃう…?)

興奮した表情から、少し血の気が引く。
本日のアニは実に表情豊かである。日頃からこうも豊かなら、もっとエレンの気を引けただろうに…。

アニ(…うん、自分のしたことに後悔はないし…所有権を訴える印(巨人に巻いた髪の毛)を外したくはないし………うん。よしミカサに罪を着せよう…)

アニはカバンへと再び手を忍ばせる。
ゴソゴソと探ること数分、一つの小さな巾着袋を取り出した。
紐を解いて、中から何かを取り出すアニ。取り出したものは、数本の長くて黒い髪の毛だった。

アニ(偽装工作に使えると思って、風呂場で採取しておいてよかった…ミカサの毛…。これをたくさんエレンの周りに巻いておけば、ミカサが真っ先に疑われるはず……ふふ、あたしを疑うよりも近親相姦の恐怖でそんなに意識されないはず…!)フンス

アニは阿呆なのだろうか。阿呆なのだろうな。
これで完璧だと思っているらしい。
恋は盲目。聡明クールなイメージがあるアニも例外ではなかったらしい。

やけに満足顔になったアニは、自分の衣服を整えて、元来たように兵舎へ帰っていく。

アニ「エレン…また、来るね…ふふふ…」ギィィバタン

………
……



アニ「――…あたしはスケッチの続きを完成させたかったのもあって、エレンの所に行った、そしてマーキング…ふふ、エレンとその息子を執拗に舐めた。もちろんスケッチも完成させた…けどね、エレンのを見て私は我慢できなくなった…ふふふ、だから舐めたんだ」

驚愕の事実である。
よもや年がら年中付きまとっているミカサよりもアニのほうが変態としてワンランク上だったのだ。
しかし当たり前だが、変態は誇れるステータスではない。レベルが高ければ高いほど、一般人と下位レベルの人間に引かれていく茨道、それが変態道である。
よって、当然のように…

ミカサ「気持ち悪い……なんてことをしたの…常軌を逸している…」ヒキ

半近親相姦のストーカー変態に引かれてしまった。
ミカサも変態としてはかなり上位の存在だが、身バレを恐れない所業は犯さないのを絶対的な規則として敷いている。もはや信念といってもいい。
そんなミカサにとって、大胆不敵に変態行動にでるアニは異常としか言えなかった…。

ミカサ「己の欲望のために、意中の人間に迷惑をかける…ダッチワイフ制作のみに固執していたら、こんなことにならないはずなのに…欲望に負け、エレンを恐怖と不安へたたき落とした…」ギリ

ミカサ「お前は…惡だ……エレン仲間として認めていたのに、非常に残念…残念だけど、仕方がない。殲滅することにする…」ゴゴゴゴゴ

アニ「ふん。言ってればいい。あとはまた拳で語るのみ…ッ!恋愛に言葉は要らない、肉体で自己を表明する!!」ダダッ

立場的にシンなのに、発言がラオウである。
雌型の変態は底が知れない。

恋愛(笑)とは言いがたい所業をしている人間が、よくもまぁシレッと言ったものである。 そんな雌型の変態アニは、先手にミカサへの突撃をかます。

アニ「うぉぉぉおおおおぉぉーっ!!!」ダダダダダッ

ライナー「おー、こんなところにいたのかぁ!訓練始まるから、そろそろ来いよー!」

アニの進行方向にライナーが突然現れる。
避けきれないし避ける気もないアニは、そのままひとまずライナーに飛び蹴りをかます。

ライナー「おぐぉばぁっ!!?」ズドーン

腹部に直撃! ライナーは理由なく蹴られ、無残にも蹴り飛ばされる。
ふっ飛ばした先は使われていない棚があったが、吹き飛ばされた威力と巨体の重圧で破壊される。

アニ「ちっ、あんたが悪いんだよ…いきなり飛び出す奴がいるか…」

ミカサ「…」

アニ「ペッ、…続きをするよ。またこっちから攻めてやるッ」

ミカサ「…えぇ。でも残念だけど訓練の時間が来る…前の戦い以来、色々と厳しくなっている。サボると後で問題になる。続きは訓練でやりましょう」

アニ「逃げ……。…いや、わかった。気に入らないけど、騒ぎになってココがバレるのはあたしも困る」

一時休戦。
始業のチャイムと共に、瑣末な理由で起こる不毛な激戦は一時的に終息した。
達人の一撃を食らったライナーは起きそうにない。放置したいところだが、愛する人形がいる場所が公になるのを避けたかったアニは、サッカーボール感覚でライナーを蹴り飛ばし移動させる。

筋肉ダルマのライナーは持ち上げるにはしんどいが、足技を熟達しているため蹴り飛ばしながらの移動は容易だった。
巨体は悠々と転がされる。特に理由のない暴力は、意識を失おうと継続して振りかかる不運らしい。ドMの星に意図せず生まれてしまったライナーは哀れとしか言えない。

がんばれライナー、負けるなライナー!ライナー!


こうして、……不幸の筋肉ダルマを犠牲に、闘神対戦は延長された。



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前の戦いから一週間しか経っていないのにもかかわらず、再び変態同士の戦いが始まってしまう!
恋は人を狂わせ、愛は人知を超える!二人の異常者は己の才能を無駄遣いするッ!!

本気で好いてる両者に譲渡の意思は微塵も感じられないッ!
本気だけど本当にくだらないから、きっと今回も雌雄は決さないだろう!約束する!


次回、「それは愛ゆえに…ッ! エレン愛好会発足ッッ!!」





[コメント]
飽きた速報再び。結構全力で書いたけど後半萎えた説…。やる気出たらまた投下します。

[執筆日]
2013.06.10














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第肆話、それは愛ゆえに…ッ! エレン愛好会発足ッッ!!
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ふとしたきっかけで、エレンにストーキングがバレるミカサとアニ。 ミカサはバレる原因はアニのせいだとすぐ見破り、アニに問い詰めたが、またも逆上したアニがミカサへと挑戦を挑む。
ライナーの犠牲で戦いは一時中断することに…!
雌雄を決する戦いはまだまだ続く…ッ!!

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対人格闘術の訓練。

はじめの訓練は対人格闘術だった。
二人にとってこれほどまでにタイミングのいい訓練はなかった。

アルミン「なんか二人の雰囲気が…」キリキリ

ベルトルさん「…なんか、いつも以上に険悪だね…どうしたんだろう」

ライナー「いってて…めちゃくちゃ蹴られた……ん、なんだ?また喧嘩か」ボロ

ミーナ「うわぁ…喧嘩っぽいね。離れたほうがいいんじゃない?」

ユミル「だろうな…クリスタ、あんたこっちおいで。セカンドインパクトが来るから」チョイチョイ

クリスタ「う、うん…」

訓練前に異様な殺気を放つ二人を、同期の訓練兵たちは察した。
あっ…これこの前の続きだ…離れたほうがいい…と。

ミカサ「…さて、決着をつけよう雌狐。昨晩の落とし前をつけてもらう」

アニ「ふん、言ってな。勝つのはあたしだ…」

キース(ほう…今日はやる気があるものが多いな)ウンウン
キース「では、早速始めようか。ペアを組んで直ぐにでも始めろ。やり方はいつもどおりだ」

教官の合図とともに、訓練兵一同はペアを組み始める。
ぞろぞろと営庭内を動きまわる訓練兵たち。

ミーナ「あ、あの…ライナー、ペアを組みましょう」

ライナー「お、おお…珍しいな。まぁ、俺は一向にかまわないが…」

ミーナ「ごめんね、ちょっとペア組遅れちゃって…」
ミーナ(ッシャコラ!ようやくホモと組めたッッ!ライナーが受けなのか、間近で観察するチャンス!)

クリスタ「あー、ミーナとライナーかぁ。珍しいな、どうしたんだろう。恋?」ドキドキ

ユミル「おーいクリスター!組もうぜー」ブンブン

クリスタ「あっ!ゆみるー!」ブンブン

ユミル「クリスターッ」ダキッ

クリスタ「わっぷ!もぅ、いきなり抱きつかないでよユミル!」キャッキャウフフ

各々好き勝手にペアを組む。思惑があるもの、いつもどおりのもの。
しかし、闘神と化した二人に近づくものは当然一人もいない。触らぬ神に祟りなし。

エレン「…すまんアルミン。組もう」ミカサコワイ

アルミン「うん、いいよエレン!」アチャー

ひと通りペアを組み終えた一同は、他のペアとぶつからないよう距離をとり、対人格闘の模擬戦へとうつる。
兵士志願の者でも、得手不得手があるだろう。対人格闘は体格差や体力がもろに反映される訓練なため、ペアを組む相手も必然とそれを基準としたものになっていく。もちろん、ハンナとフランツのように仲良し同士でペアを組むものも多い。幸いにしてあぶれて営庭の隅に体育座りをしている者はいなかった。
読者諸君のいる現実とは大違いである。


ミカサ「さぁ、始めよう…」
アニ「あぁ、行くよッ!あたしがならず者役だ!!」

アニの発言とともに、二人同時に相手へ向かっていく。
どちらもスピードは同じ、だが異系統の達人なので、まとう殺気と攻撃前の助走は違っていた。
足技の多いアニは、やや前のめりで、足をおおぶりに走っている。
逆に拳の対話が多いミカサは、腰が直角になるほど前のめりになり、大ぶりに走っている。
敵が近づくと、ミカサは状態をお越し、思いっきり拳を後ろへ回す。アニは高く飛び上がり、勢いのまま足をミカサに突撃させる。
もはやいつもどおりのやり方ではない。手強い強盗が突撃をかますのを迎え撃つ絵面である。


ベルトルさん「うわぁ…相変わらず喧嘩のステージがワンランク上だなぁ…」

マルコ「うん、僕にはできないな。ジャンはどう思う」

ジャン「…綺麗だ…」ウットリ

マルコ「…そっか」

足技に秀でているアニのほうが僅かに足が早かった。数秒攻撃の接触が早い。アニの足がミカサの前に襲い狂う。
が、それをむざむざと受けるミカサではない。アニの足が正面に来たのと同時に、ミカサは思いっきり拳をアニの足へと繰り出す。
迂闊に受ければ足へのダメージが大きくなることを危惧し、アニも足の角度を変え、ミカサの拳が足裏につくようにする。

ドゴォォォオオォォオオンッッッ

営庭に轟音が鳴り響く。
ミカサの拳とアニの足裏が見事の接触し、お互いの物理的エネルギーがぶつかり合う。
接触と同時に恐ろしいほどの爆風が二人を包み、まるで古代兵器を彷彿とさせるキノコ雲が上がる。
営庭一体にヒビが入り、バリバリバリと地面が割れていく。

衝撃は互角。拳と足のエネルギーは相殺された。
接触した足と拳を引き剥がし、二人は間合いをとるために後ろへ飛んだ。

アニ「ぐっ…」ザザッ
ミカサ「…んっ」ザッ

エネルギーは相殺されても、二人の闘気は反発し合い、一向に相殺されない。
ただただあたりの雰囲気を悪くする一方である。

ミカサ「相変わらず、あなたの足技は眼を見張るものがある…変態なのがほんとうに残念」

アニ「ハンッ、あんたがそれをいうかい」

ミカサ「ええ。あなたは変態、でも私は違う。変態淑女だ。私の変態淑女規定に反したあなたは、人や法に追われるただの糞だ」

アニ「変態淑女規定だかなんだか知らないが、愛に殉じることは悪くない!あたしのどこがおかしいんだ!」

ミカサ「あなたの行動のほとんどが異常。愛だなんだといって、エレンの布団や体で自慰行為をしたのもだし、マーキングと称して己の髪の毛をエレンのエレンに巻きつけたのも信じがたく気持ち悪い。しかも、あまつさえ私のせいに仕立てあげようとと態々採取した私の毛を散布した。気持ち悪いとしか言えないッ」

アニ「しかたないだろ、エレンが可愛いのがいけないんだ!!あたしの故郷にあんな可愛い男いなかったんだ!」

ミカサ「それは同意するッ…だがッ、エレンの恐怖を私と結びつけたお前は、許されない!」

アニ「それはわるかったね!でも、あんたを引き剥がさないと、あたしはエレンと結ばれない!!」

ミカサ「自分勝手な…ッ!どうせ貴様は、エレンの見た目とかにしか惚れていない!そんな軽薄な奴に私のエレンをくれてやる訳にはいかない!」

アニ「うるさい!あたしだってエレンの素敵なところくらい沢山知っている!未だ踏み込めないお前の知らないことまでな!!」

ミカサ「ッ!踏み込めないのは貴様も一緒だァ!」
ミカサ「そんなにいうのなら、言ってみればいい!ただの見栄っ張りじゃなく、純粋に愛する男の魅力が語れるってことを私に証明してみろッッ」

アニ「あぁいいとも言ってやる!お互いたくさん言えたほうが勝ちだ、いいな!」

対人格闘にかこつけた喧嘩は、対人格闘と関係のない口論から火ぶたを切る。
もはや訓練にすらなっていない。

キース「おい!貴様らァ!せめて格闘をしろ、何をしにここへ来たんだ!」

ミカサ・アニ「「エレンを貰い受けに来たんだっ!!」」ゲシ

キース「おうふっ///」ビクビクン

見兼ねた教官が制裁に入るが、それを返り討ちにし二人は喧嘩を続ける。
調査兵団は罵詈雑言を受け続ける苦行の集団。巨人殲滅の緒を見つけるため、という大義以外は命も落とすし、後ろ盾も心もとないブラック企業である。
そんな中で長く所属していたキースは、武道における天性の才よりもドMとしての才覚を発芽させてしまっていた。精神が圧殺される環境は性癖を増化・促進させる。彼もその被害者であった。

美少女二人に蹴られたキースは、頬を赤らめながら身悶えする。武道の達人から受けた攻撃は肋骨数本を軽く追ったであろうが、それすらも彼のリビドーに火をつける。
痛みに悶えるというよりも、その姿は快楽に身悶えしてるようにしか見えない。

キース「おふっおふっ…」///

クリスタ「うわ…気持ち悪い」

ユミル「見るんじゃないよクリスタ!これが大人の成れの果てだ…」メカクシ

クリスタ「わかったって。目隠しはやめて、あっちいこ!続き続き!」ササッ

キース「ぶるるるふぅー」///

言葉受けもイケる口らしい…本当に始末におえない。

アニとミカサの口論はなおも続く。
口数と攻撃数が激化していく。発言のたびに、ミカサは拳を、アニは足を相手へと繰り出していく。

アニ「エレンの魅力その1!顔が可愛い!」バシバシバシババババッ
アニ「一見人を寄せ付けない雰囲気をまとっているけど、実は目が大きくてキリッとした輪郭、パーツパーツで美形!!」バシンッ

ミカサ「エレンの魅力その2ィ!仕草が可愛いィ!」アタタタタタタタッ
ミカサ「ツンデレ的な切り返しが多い!キレやすいから勘違いされやすいけど、かなりの照れ屋!!」アタァッ

アニ「エレンの魅力ゥ、その3んん!!すごく優しい!!」バンバンバババンッ
アニ「無愛想なあたしでも、考えてることを察してくれるし、よく気を使ってくれる!他の娘に対しても、実はよく見てる!」ドゴゴゴッ

ミカサ「エレンの魅力その4ん!!気遣い上手!!」ゥアタァタタタタタタタタアタタタタァッ
ミカサ「よく見ていないと気づかないけど!体調が悪い時はすぐ気づいてくれるし、不器用だけど色々世話してくれるぅ!!」アゥタタタタタッ

エレン「////」カァァァー

魅力とは、突き詰めれば、性的魅力。セックスアピールである。
はじめこそ、内面や外見を評価していたが、次第に彼女たちは自分が性的興奮を感じさせるポイントを述べ始める。 もはやそこには、恋に恋して、性を恥じらう純真乙女ではなく、己の欲望に忠実なメス犬たちの大暴露大会であった。

ミカサ「エレンの!魅力!その、26ゥんんんんッ!寝顔が素敵!!ペロペロしたい!」アタタタタタタタタタタタタッ
ミカサ「毎晩見てるけど飽きない!可愛い!たまにヨダレ垂らしてる可愛い舐めたい!!!!!」アタタァァッ

アニ「エレンの魅力ん!その27ァ!耳が弱いィ!」バスバスバスババスススッ
アニ「訓練の時、ふいに舐めたらビクンってなって、赤面したぁ!!抱きたい!!」バキバキンッ

ミカサ「エレンの魅ッ力ッ!その28ィン!好き嫌い可愛い!!」アタァァァーアタタタタッッ
ミカサ「未だに好き嫌いがある!可愛い!!!交尾したい!!!!」アタタタタタァン!!

アニ「エレぇン!の魅力!その29ゥゥゥ!キリっとした時の顔カッコイイ!!」バコバキバコバスババババッ
アニ「言葉に出来ない抱いて!」ベベベベベバンッ

エレン「」サァァァ…ー

クリスタ「え、エレン…こっちおいで。アルミンも」オイデオイデ

ユミル「げぇっ、おいクリスタ!なんで駆逐野郎と頭脳モヤシ連れてくんだよ…」

クリスタ「だって、あんな憔悴してるし…私だったら恥ずかしくて耐えられないよ」ヨシヨシ
エレン「…グス」 アルミン「よしよし」ナデナデ

ユミル「はぁ…相変わらずお人好しだなぁ……クリスタは私の女神だから、仕方ないか」

クリスタ「えへへ…エレンこっちで対人格闘一緒にやろっ」
クリスタ(……ふふ)

アニとミカサの口論で一喜一憂するエレンの表情は、まさにエレン百面相といえる。
それもそのはず、自分を隠そに、エレンに対する思いの丈、好きな所、エロい所を喧嘩に乗じて好き勝手暴露しているのだ。
恥じたり青ざめたりするのは当然の反応である。

ミカサ「」ゼェ…ゼェ…
アニ「」ゼェ…ゼェ…

大地は割れ、至る所に直径30cmほどの穴が無数と空いている。
荒れ果てた営庭に立ち並ぶ二人の闘神は、「エレンの魅力」を100個ほど上げたあたりで息を荒くし、立ち尽くした。

ミカサ「そ、想像したら、濡れてきた…」ジュン
アニ「…うん…」ジュン

疲労ではなかったらしい。
武の道は性欲に通じると偉人(ピクシス)は言っていた。まさにそうなのだろう。兵もまた武道の末端を担う存在、婦女暴行が耐えないのも当然の理である。
そしてここにいる二人もまた武道の達人。激戦の中エロいことを口走ったものだから、興奮してしまったらしい。
エレンの魅力百選は戦いの中で次第に、魅力から性的魅力へ、性的魅力からタダの妄想へと発展していったのだった。

ミカサ「あなたの注意力と妄想力、実に素晴らしい…特に、エレンの魅力85のエレンからの告白は私でも濡れてしまった…ヒロインが私だったら絶頂していただろう…」

アニ「ま、まぁね///…あんたと違って、あたしはエレンと上手くおしゃべり出来なかったから、ずっと妄想してたんだ…なかなかロマンチックだろ?」

ミカサ「えぇ、ほんとに…特に、エレンが涙目で告白するシーンの描写は拍車掛かっていた。思わず抱きしめたくなる所をじっとこらえて、エレンの告白を待つところなんか実にリアルで下半身が洪水気味…」
ミカサ「南斗聖拳の実力もさることながら、あなたの妄想力は賞賛に値する…」

アニ「ふふ、どうも。そういうあんただって、エレンの魅力56~90にかけての細かい仕草・反応はあたしの管轄じゃ得られない情報だった!思わずエレンを惚れなおしてしまったよ」

ミカサ「うふふ、でしょ?あれは私だから掌握できた情報。本当は出すのが惜しかったが、エレン好きは今までの人生でも、そして入団したこの訓練兵団にも少なかった…こうやって話をしたかったのもあって、結構な数出してしまった」

アニ「あぁ…エレンは顔はいいのにキレやすいから、ほとんどの女子から敬遠されてるしね…仕方ない…言われてみればあたしもこうやって話をしたかったのかもしれない…」

戦いはどこかへ飛んでいき、変態どもの談笑が展開される。
濡れた反動か、思いが通じあった証か…もうそこには怒り狂ったアニも、青筋だったミカサもいなかった。
これが平和というものなのだろうか。

散々性癖と妄想を暴露し合った二人は、しばらく間をおいて、互いにそっと胸の内を語りだす。

ミカサ「こんなに楽しいのはいつ以来だろうか…かなり久しぶりな気がする」

アニ「あたしもだ…人を好きになって、ただでさえ最近楽しかったのに、なんかもっと楽しくなった気がする…」

ミカサ「…私は、エレンの正妻だと思っている…けど、エレンは私を家族程度にしか思っていない…」

アニ「まだあんたのほうがマシさ…あたしなんて訓練相手程度にしか見られていない。本音いうとあんたに譲る気はないけど…えっと、いろいろあって、未だ前に出れない」

ミカサ「私もだ……」

アニ「…」

ミカサ「…」

アニ「あの…さ。前のごたごたもあって、あたし結構キレちまったけどさ、なんかどうでもよくなってきた」

ミカサ「…私は…うん、そうだ。どうでもいい…それに初めから同好の士だと思っていた…」

アニ「だよね。そこは私も同じ!…そこで、だ。提案があるんだけど…」

ミカサ「なに?」

アニ「私さ、あんただったらイイと思うんだ」

ミカサ「?」

アニ「エレンを共有するのをさ。…どう、かな」

ミカサ「…ッ!…うん、私もいいと思う。どうせこのまま一人でいても恋仲には発展しない…だったら、仲間を増やして楽しくエレンと暮らしていきたい!もちろん認めた相手だけ、だけど」
ミカサ「もう…汚い独占欲で牽制するのはやめようと思う…」

アニ「…!あ、ああ!そうしよう!仲良くやってこっ!あたしもエレンのことでキレるのを気をつけるよ!」

ミカサ「その方がいい。。。いつものクールキャラが崩れてしまってたしねっ…それにあなたは笑顔がいちばん素敵だ。」

アニ「ありがと。…フフッ、でも、よかったわかりあえて!」

ミカサ「えぇ、本当に…!」

よくわからないが、こんどこそ本当に和解したらしい…。
変態同士通じるものがあったのかもしれない。
そして、そんな変態どもの和解は、渦中の人物に多大な迷惑をかけることとなる。
しれっと流しているが、本人の知らないところで、彼の所有権は共同所有という形で収まってしまった。

アニ「早速だけど、今までのコレクションを分合わないか」

ミカサ「!それはナイスな提案。私からは、エレンのパンツとシャツを提供する」

アニ「!!!なんて素晴らしい…じゃああたしからは、ミニ人形かな…エレンの使用済みタオルをベースに、エレン臭がつくものをたくさん利用して制作したエレン人形だ。ダッチワイフはちょっと時間がかかるから、今は無理だけどね」

ミカサ「素晴らしい……私は裁縫が得意な方ではないから、そういうモノは持っていなかった…嬉しい。大切にする」

アニ「ふふ、どういたしまして。…なんだかココに来て初めて友達ができた気がするよ」

ミカサ「奇遇。私もそう思っていた…そうだ。毎週末はエレンの会を開こう。近頃私やアニのファンクラブができたという噂を耳にする。だから、私達はエレンの(ストーカー)集会を開くエレン愛好会を作ろう」

アニ「あんたにしては、きらめく発想だね!その話乗った」

ミカサ「ありがとうっ、毎週が楽しみになる……それと、私の名前、ミカサ。そう呼んでくれると嬉しい」

アニ「っ、ごめんごめん。じゃぁ、私はアニって呼んでくれる?あn…ミカサ!」スッ

ミカサ「えぇ、アニ!これからよろしく!」ガシィ

話は進み、更に邪悪な提案が可決されてしまった。エレン…かわいそうなエレン…。
二人はしばらく話したあとに、ふとエレンがいないことに気づく。

ミカサ「…そろそろ訓練も終わる頃だけど…エレンは?どこ?」キョロキョロ

アニ「そういえば…どこ、だ?」キョロキョロ

ミカサ「あっ…いた」

アニ「……あれは…」

エレンは二人の数m先でクリスタと訓練をしていた。
ミカサの対エレン用索敵能力ですぐに発見できた。

エレン「ハッ、よっと!」バッバッ

クリスタ「とぉ、やぁ!…へあっ」ヨロ

ユミル「あっ…おいエレン!女神とお前じゃレベルに差がありすぎんだから、気をつけろよ!」

エレンの素早い攻撃に、ならず者役のクリスタがよろけてしまう。
それをエレンは素早く動き、クリスタを支える。

エレン「おっと、大丈夫かクリスタ」バッ

クリスタ「あっ…ご、ごめんなさい。エレンこそ大丈夫…?」

エレン「はは、気にすんなよ。こっちこそごめんな、手加減苦手で…」

ライナー(マジ天使。…結婚しよ)

ベルトルさん(天女…)

アルミン(女神……というか、また悩みの種が増えそうな…)キリキリキリ

なんだかいい雰囲気である。キャッキャウフフという擬音が背後から聞こえそうなほどに…。
アニとミカサがいることを考えなければ、このまま恋仲になっても可笑しくはないとさえ言える。
アルミンの胃痛は、ミカサとアニが結託しても拭えない末期ガンなのかもしれない。

ミカサ「…雌狐…」ギリッ

アニ「ふん…」ギリリッ

ミカサ「…ねぇ、アニ。先ほどの愛好会は、エレンを愛している変態のための愛好会。私は私とアニが認めた者しかいれないつもり」

アニ「ふーん…じゃぁ、クリスタはどうするんだい」
ミカサ「彼女は、変態ではない。変態は、愛の象徴であり、より愛が深い人間にしかなれない罪深い生き物。…ので、クリスタは入会条件を満たしていない…ただ恋に恋するパンピー女子なのは議論せずとも明白…」

アニ「だったらさ…このあと、どうする?」バキボキバキ

ミカサ「……当然、駆逐…!!」コキッコキッ

変態ということで忘れていたがこの二人は拳法の達人である。
拳法家二人が、青筋立てて、拳や首筋をコキコキ鳴らす。
世紀末の再来である。

アニ「…ちょっとクリスタ」ゴゴゴゴ

ミカサ「話がある」ゴゴゴゴ

クリスタ「…え、なに…どうしたの、ふたりとも」タジ

エレン「…ッ!お、おぅ、どうしたんだ。ふたりとも」ビクッ

ユミル「なんだいなんだい、怖い顔して…」

殲滅対象となった女神は、破壊神二人の姿を目視し怯える。
なぜだろう。なんとなく不倫現場に遭遇したかのような重圧が辺りを包み込んでいく。

アニ「悪いんだけどさ…まずエレンから離れてくれる?」イライラ

ミカサ「…離れて」

クリスタ「え、ええ。エレン、ちょっとあっち行ってて。あとユミルも…ごめんね」スス

ユミル「やだね、こんな殺気立ってる獣の近くに女神を置いてけない。私は…」

クリスタ「だ、大丈夫だから!…ね?」

ユミル「…チッ。クリスタがそう言うなら……おい!クリスタをいじめたらタダじゃおかないからな」ギロッ

そういうとユミルは渋々と身を引いた。
エレンもそれに続くが、さり際に二人に問うた。

エレン「……ふたりとも、クリスタをいじめるんじゃないだろうな?」

ミカサ「えぇ、ちょっとお話をするだけ」

アニ「あぁ、そうだよ。あんたは気にしなくていい」

エレン「そ、そっか…じゃぁ少しあっち行ってる…」
エレン「……気をつけろよクリスタ」ボソッ

クリスタ「う、うん…」ボソッ

アルミン(これは……まずい気がする…)

エレンはそそくさとその場を離れてライナーたちのところで、様子をうかがうことにした。

ミカサ「…悪いけど、クリスタ。あなたにエレンは合わない」

アニ「あたしもそう思う」

クリスタ「…えっと、…」

牽制がどうのと口論したばかりの二人が、早速牽制を始める。
相手が誰であろうと、最小限のエネルギー消費で始末するに越したことはない。
変態に恥も外聞もないのだ。

ミカサ「だから、エレンには近づかないでほしい」

アニ「…」

クリスタ「…っ」
クリスタ「あ、えーっと。か、勘違いしないでほしいのだけど、私とエレンは友達なんだよ?別になんでもないんだけど…」

ミカサ「…そう」

クリスタ「そう、そうなの!…それで、まさかエレンに女友達は不要だとか言わないよね…?」

アニ「それは…」

ミカサ「そうは言わない…エレンは社交性が高いとは言えない。だから女友達を作ることは許している」
ミカサ「けれど、それ以上に発展しそうな場合。相手が同期だろうと駆逐しなくてはならない」

クリスタ「そ、そうなんだ。…えっと、それ以上になることはないから安心して!ね!」

二人の威圧にやや押されるクリスタ。
当然、花も恥らう訓練兵女子なら誰しも主要美女一同がエレンに少なからず好意を持っていることは知っている。
そして、その一同にクリスタも含まれている。それはアニもミカサもわかっていた。
しかし、

アニ「あたしらは、弱いものいじめは好きじゃない…ましてや、拳法もかじっていない人間相手に本気は出せない…」

ミカサ「だから、どうか怒らせないでほしい…クリスタ?」

クリスタ「う、うん。大丈夫、大丈夫だよっ!」

ミカサ「そう…なら、いい」

アニ「…そ」

さすがに、拳法はおろか、武の心得も身に着けていない相手に本気を出す二人ではない。
奥義を出す相手を選ぶのが拳法家のマナー。それを破れば、伝承者を名乗る資格を失うほどの不義を背負うこととなる。

クリスタ「……ふふ、でもね、もしも私が拳法家だったら…あなた達はどうしてた?」ボソッ

アニ「えっ…」

アルミン「あっと!ね、ねぇ!そろそろ訓練終わっちゃうよ!こっち来なよ三人とも!」

殺気が収まったところで、アルミンが割って入る。
アニはクリスタの言葉がよく聞こえなかったが、拳法家がどうとか言っているのはわかった。
クリスタの含みある笑みにアニは僅かな嫌悪と不安を感じたが、訓練終了の号令と共にその不快感は散って消えていった。

ミカサ「…一難去ったか……アニ!早速だけど、週末まで待てない。今晩にでも愛好会の第一回会議を開こう」

アニ「…!わかった。じゃぁ、場所はあたしの食料庫で!…せ、せっかくだし次の訓練も一緒に行こう」

ミカサ「うん!」

アニは照れながらも、素直にミカサを次の訓練へ誘った。
怨敵だったミカサも真の意味で(変態的)和解をすれば、友達になる。
初めての友達に、アニは内心どきどきわくわくしているのであった…。

エレン「お、おーい。ミカサたち!次の訓練いくぞー!」オソルオソル

アルミン「待ってよエレン!…あ、そういえば二人共、(さっきは怖くてスルーしてたけど)仲良くなったの?」

ミカサ「えぇ、同好の士を見つけた」

アニ「…まぁね」

友情は深まり、第二次大戦は不発に終わる。
ある日の訓練は、思いの外平和に終結を迎えた…。
変態は変態にひかれ合うもの、どこかでそう誰かが呟いていた。
世知辛い世の中。婦女暴行による悲劇が耐えず、規制が厳しくなる残酷な世界。
そんな世界は、規制とともに内輪で消化している変態たちからどんどん生活拠点を奪っていく。

そんな残酷な世界にも、犬猿の変態武神二匹が友情を結ぶ事ができた。
エレンの所有権が共同形式になるという犠牲とともに、世界は再び美しく回る…。

クリスタ「…」ギリッ

しかし、変態武神同盟「エレン愛好会」設立という二大巨頭結託の影で、またひとつ不穏な影が蠢いている。
あぁ美しきかな恋の華。エレンという可愛い駆逐生命体がもたらす恋慕悲劇はまだまだ終わりを見せないようである…。。。


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二人の戦いが火ぶたを切るかと思われた訓練!
しかし、戦いの中でエレンの魅力を言い合ううちに、二人は欲情し、真の意味で和解した!!
和解とともに、自称エレン所有権を保持する変態同盟「エレン愛好会」が成立!!!
ますますエレンの訓練兵団生活は困窮したものへと変貌していくことが確定してしまう!

そろそろ北斗神拳ネタを出すべきだぞ!
がんばれミカサ!加われアニ!


次回、「人質のエレン人形!鬼形のアニ!」






[コメント]
秋田速報。やはり文才無さすぐるorz
ミカサがケンシロウで、アニがシンの立場なんだけど、どうしても和解させて、結託ストーリーにしたかった。
したかったけどうまく行かなかった…roz

熱い展開にする気はサラサラないけど、北斗の拳読んでて、シンとケンシロウは永遠のライバルで、
友情タッグをマジで組んでほしいって思った。ホントマジで。

もうちょっと拳法家ネタ活かすよ…うん。


[執筆日]
2013.06.19


























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