FXで有り金全部溶かす人の顔とは。

元ネタはちょぼらうにょぽみ先生が手がけた漫画「あいまいみー」のTVアニメ化作品「あいまいみー」から、麻衣がホザイた鬼畜発言の一部である。
「FXで有り金全部溶かした人の顔がみたい!」とか、現代社会の闇にカウンターアタックをしかけるような鬼畜っぷりである。


▼株とFXってなんなんだろう?

 とりあえず、「楽して稼ごう」の代名詞である、株や外国為替証拠金取引(FX)について説明してみます。
 僕も概略を適当に覚えているだけなんで、噛み砕きすぎちゃったり、適当だったりするんで、参考程度にどーぞ。  質問は勘弁願います。



 株とはなにかですが、
 要は、ある企業が他所の人に

  「俺ぜってぇボロ儲けすんから活動するための金くれよ!!」

 と売り出してる券のことですね。生臭い肩たたき券みたいなもんです。
 この券を買うことで、株券を出してる企業の懐は潤い、その企業は好きに活動できるようになります。

 株でボロ儲けしたぜぇー!っていう人がいますが、
 コイツは、配当で儲けたか、持ってる株券の金額が上がっちまい、売り飛ばした時に儲けます。

 配当で儲けたとは、
  自分が株を買ってやった企業が「へへ、言ったとおり儲けたぜ」とほざき、
  「仕方ねぇな、儲けた分を少し分けてやるよw」とほざいて、
  株を買ってくれた皆に儲け額から必要経費と社員の報酬を差し引いた額の報酬をくれることを指します。

  といっても、この配当には受け取る側に税金が発生したり、色々面倒なことがあったりするので、
  出さない企業も結構あるそうです。


 株券の金額が上がり、売っぱらった時に生じた(初期の株券金額との)差額で儲けたとは、
  要は、「うひゃー、俺様の会社最高にノッてるぜぇーwww」って企業がなった時、
  他所の人が「うっはwwwこの企業ノッてるしww俺ここの株超ほしいんですけどwwww」となって、
  「こんくらい出すからwww持ってる奴株券よこせよwww」となった結果、株券の金額が上昇し、
  はじめに買った時の金額より高額で売買できて、いい感じに利益が生じるってやつです。

  ただ察しがいい人はもう気づいてると思いますが、
  企業が「うっは大損www倒産待ったなしwwww」てなって、
  投資家さんたちが「えー、ちょ…この企業もうオワコン化し始めてる…だめだ期待はずれだ…」となると、
  「ちょ、ごめん。えっと、こんぐらいでいいから買ってくれよー」とか、
  「いらねぇwww売っぱらうしwww」「うわww倒産菌感染すなよwwバリーバリーww」とか、
  そんなこと言い出す投資家さんたちがゴロゴロ増えます。
  結果、そうなってしまうと、株券の価値が下がりまくります。
  最悪、企業が倒産すれば株券はゼロ円のゴミクズになります。もしもそうなってしまったら、紙飛行機にして金持ちの家に放り捨て 飛ばしましょう。

  ちょいちょい違いますが、
  リーマンショックの時、日本支社では直前の社員への給料を株券で払っていたそうです。
  するとどうでしょう。すぐ倒産してしまったので、失職前の給料は実質ゼロになってしまいます。
  前年のボーナスでは、一千万も出して、ぶいぶいーっとベンツを買っていた人もいるくらいはっちゃけてたのに
  その翌年では見るも無残なファッキン状態です。
  このご時世、どんな事情があってもそんなハッチャケたボーナスや給料の支払方をする企業はほぼありません。
  もしも自分が務めている会社が、怪しげな給料の支払い方をしていた場合は真っ先に疑ったほうがいいです。
   もしかしたら、前払いの退職金だったりするかもしれませんよ?
  株券なら、さっさと売っぱらって金に変えたり、いきなり莫大なボーナスを貰った時は貯金して転職を考慮する
  のがいいでしょう。絶対安心な企業はどこにもありませんからね。(EX.東電など


 また儲け以外では、
  株主優待という特典があります。
  こいつは、「俺の会社に投資してくれたテメェらに、お礼の一つでもしてやるよ!」と、
  企業が太っ腹なサービスをしてくれることを指します。

  具体的には、お中元の時に、パスタ製造販売会社が大量にパスタを送ってきてくれたり、
  カラオケ店の株を持ってれば、カラオケに行った時割引してくれたりします。

  この特典サービスを受けるには口数の制限があったりしますが、
  企業が潰れない限り、方針を変えない限り、半永久的に続く無敵サービスです。


 これが株です。
 これだけ聞くと、節度を持てば、借金地獄なんかにならねぇだろって思いますよね?
 そうなんです。ならないはずなんです。

 ではなぜ借金地獄になるのか。
 答えは信用買いという買い方にあります。

  愚かにも株ってやつを金が無いのに買ったりすると、悪質にハイリスクになります。
  簡単に言うと、信用買いってのは、証券会社から借金して株を買い、当たれば倍になり、外れれば倍に払う羽目になります。
  要は株券購入時にすでに赤字になっていて、それを大穴株で株の価値を上昇させて、後々返す様にする事です。
、 そりゃうまく行けば、赤字返済してもお釣が来ますが、たいていの場合は意味がありません。
  信用買いとはよく言ったもんです。たいていこの手のお話で出てくる信用は、イコール金なのです。

  これでも分からないって人は、アレです。
   「親友よ、十万貸してくれ!!…ぱ、パチンコで倍返しするからさぁ!新台がやべぇんだわw」
  ってセリフを思い浮かべてください。これが貴方ではなく、証券会社から借金する形に変わるだけです。

  こうなってくると、まだ競馬や競艇にはまってるギャンブラーのほうが可愛く見えます。
  彼らは賭博場に行く回数の多さと無駄な希望で金をすり減らしますが、信用買いは下手すると払った以上に金を取られます。
  
  こいつが俗にいう株で莫大な借金を負う、というやつです。


 ここで、例のFXが登場します。
 実はFXにも信用買いが可能なのです。

 FXとは、国ごとに違う金の価値の変動を利用して、ボロ儲けしようぜ!っていうやりとりです。  正確には、外国為替証拠金取引(Foreign exchange)といって、証拠金(保証金)を業者に預託し、
 主に差金決済による通貨の売買を行なう取引をいう、らしいです。

 国によって金の価値が違うってのは、言わなくてもわかると思いますが、
 貧乏な国と、金持ちな国のお金(貨幣:コイン、札)が数字通りに同じだと、えらいことが発生します。
 貧乏な国の一万円と、金持ちな国の一万円が同じだと、物流に問題が生じるってわけですよ。
 わかりやすく言えば、
 一日500円しか稼げない国で売ってる物と、一日10000万円稼げる国の売ってる物が同じ価値だと、ヤバイです。
 一個200円のリンゴが貧乏国と金持ち国で同じ価格で取引されてたら、どうなります?
 貧乏な国だと一日の収益で2.5個しか買えないけど、金持ちな国だと50個買えます。
 これが日用品だと貧乏な国がすぐに餓死してしまいます。

 つまりはそういうことです。いろいろな大人の事情で国のお金の価値がコロコロ変わるのです。
 そいつに着眼した投資家さん達が自分の国と他人の国の価値に合わせてお金を両替して儲けようってわけです。
 こいつがFX。ようは両替ですよ。

 これをまた信用買いなんてしたら、おめでとう。パーですよ。
 金もないのに、“借金”で多めに買って、おまけにパーになったら、さらに“借金”をしちゃいます。

 海外に行くとき、自身の国の金を両替をするのは当たり前で、結構外国為替ってのは身近にあります。
 身近にあるだけに、株より手が出しやすいです。
 その上、世界情勢のニュースでも拝んでれば、なんとなく儲けられるイメージまであります。
 でもコイツは株よりもシビアです。
 簡単に考えて、株が1000人前後の組織の行動を予想して儲けを出すのに対し、
 FXは一億人単位の集団の行動を予想して儲けを出します。こう考えれば複雑なのは一目瞭然ですよね。
 偉い人だけみてればいいじゃん!なんて言うかもしれませんが、
 偉くない人がテロを起こして何かあったらどうします?ほら、偉い人だけじゃ駄目じゃん。
 株だって、代表取締役や理事会ばっか見ててもダメってのは想像できますよね。
 平々な一営業マンがどこぞの大手と契約とっちゃうかもしれませんよ? それと同じです。

 調子に乗って、信用を担保にいい感じにFXで有る金無い金を溶かしてると、
 負けた時に、払った金よりはるかに高い金額をがっぽり持ってかれかねません。

 そして、その末路が「FXで有り金全部溶かした人の顔」になるわけです。
 信用買恐るべし。

 そんなこんなで、株もFXも儲けられることもあるけど、実にリスキーなのですね。
 企業や国を自分の金で見守るという点ではやりがいのある投資ですが、金儲けだけを考えると実に危ない橋です。

 未だFXも株もどんだけ危ないか想像がつかない方は、高校野球のトトカルチョを想像してもらえれば容易です。
  ※高校野球も含め、金のかかる賭け事は法律で禁止されてるので、やっちゃダメよ

 A高の野球部とB高の野球部でどちらが勝つか一口100万円〜で賭けた時、
 一口の額が多いため参加者は必ず勝ちたいと思います。
 そのために、まず、どの高校がどんだけ練習してるか調べます。練習方法も調べます。
 その上で、野球部員の人柄や弱点、相性、もろもろと更に細かく調べて、どちらに金をかけるか考えます。

 さて、ここまで想像していただければわかると思いますが、この賭けは実に難解なのです。
 選択肢は二択でも、絶対に勝つことを考慮すると、
 複雑な条件下で、どのチームが優勢かを考えなければなりません。
 これは競馬も競艇もパチンコも同じです。
 そして、この複雑な作業を更にワンランク上げて調べ、考察するのが株やFXです。
 大金がかかってる以上、様々な情報を元に経済の流れを洞察する必要があり、
 どんな瑣末なことでも注意深く見ていく必要があります。
 そんな風に見ていくと、社員の数が数名〜数千名という企業がありますし、
 人の数だけ企業は複雑な動きをしますので、まぁ考察が大変だわなんだって…。

 慎重になりすぎれば頭が混乱し、
 大胆すぎれば、イチかバチかで大損する。

 リスキー以外の何物でもないです。


 ぶっちゃけ、相当頭がよかったり、才能ある人、投資する企業に本気で頑張ってもらいたい人以外は、
 株主優待を目的に投資する程度でいいと思います。
 FXの方は、まぁ、トーシロはしないほうが得策です。やったとしても、百円スクラッチレベルの投資で、抑えましょう。

 株だろうがFXだろうが、どれも頻繁に微細に大胆に金の流れが変動していきます。
 そんなコロコロ変わる金の流れを逐一読み取って、儲けを出そうなんて方が常人には無理な話です。
 川に葉っぱ船を浮かべて、大金を賭けて航路を予測するようなものです。

 間違っても金儲けで株を始めようなんてトーシロが初めてはいけませんね。質の悪いギャンブルなんですから。